全米の60%が干ばつ状態
3月に、アメリカの季節外れの熱波と干ばつの進行について以下の記事を書きました。
・アメリカの熱波が3月としては常軌を逸したレベルに。それに伴い、ほぼ全米で「干ばつ」が進行中
地球の記録 2026年3月26日
上の記事では、3月17日時点の状況についてふれましたが、その後の約 1カ月で、干ばつの状況はさらに悪化しています。
以下が、3月17日の時点のマップです。色分けは以下のようになり、赤が強くなればなるほど、ひどい干ばつであることを示します。

2026年3月17日時点の干ばつマップ

earthreview.net
そして、以下がそれから約 1カ月後の干ばつの状況です。
2026年4月14日時点の干ばつマップ

droughtmonitor.unl.edu
赤いエリアが拡大していることがおわかりかと思います。
また、最も高い「レベル4 異常な干ばつ」(茶色)のエリアも拡大しています。
一応書いておきますと、「まだ 4月」です。春の時点でこれでは、夏までにどうなってしまうのかわからないですが、この干ばつ状況について、
「米国は、1610年の干ばつに似た干ばつに直面している」
とする気象専門家の投稿が注目を集めています。
「 1610年の干ばつ?」と思い、調べますと、416年前のその時代は、「飢餓の時代 (Starving Time)」と呼ばれる時で、以下のような状況だったことが示されています。
飢餓の時代
バージニア植民地のジェームズタウンにおける飢餓の時代は、1609年から 1610年の冬に発生した飢餓の期間である。冬の初めにはジェームズタウンの住民は約 500人いたが、春までにはわずか 61人しか生き残っていなかった。
こんな時代で、さらにこの時には「人肉食」にまで至ったことが以下のように書かれています。
1609年~1610年の冬:飢餓と人肉食
植民地は冬を越すのに十分な食料がない状態でした。トウモロコシ(コーン) だけの食事はビタミン欠乏症を引き起こした。
…入植者は紳士服用の洗濯糊を食べた。考古学者は、彼らが猫、犬、馬、ネズミを食べていた証拠を発見している。
…飢餓の時代に人肉食が行われていたことは、その時期について書かれた 6つの記録からすでに知られていた。
危機の間、市議会の議長を務めていたジョージ・パーシーは後に、「生きている人々が死体を掘り起こして食べ、夫が妻を殺して解体し、塩漬けにして、捕まる前に妻の一部を食べた」と報告した。夫は処刑された。女性が夫に殺されて食べられたことは、飢饉の時代の他の 4つの記録によって確認されている。
なお、この 1610年だけが干ばつであったわけではなく、1500年代の後半から、数十年間、干ばつ状態が続いていて、その結果のようです。
そして、今のアメリカもその頃の干ばつ状態に近づいているとされてきているようです。
干ばつが解消するかどうかは今後の天候次第とはいえ、今年は強いエルニーニョが発生する可能性が強くなっていて、それがアメリカにどう影響するかは明確ではないですが、エルニーニョの際には、アメリカは比較的「冷夏」になりやすいことを気象庁のマップは説明しています。
エネルギー危機の渦中ということもあり、今年の農作は世界的に厳しくなる可能性がないではなさそうですが、どうなるのでしょうかね。
アメリカの干ばつに関しての記事をご紹介させていただきます。これを読みますと、とにかく今後は食料品の価格は上昇する一方である可能性を感じます。
また、アメリカでは、トウモロコシ農家の 40%がまだ「肥料」を入手できていないことにも先日ふれていて、危機的な状況の原因となり得る要因がどんどん積み重なっています。
ホルムズ海峡閉鎖による、この肥料の流通停滞の問題も世界的な農業への影響と関係します。
干ばつが米国の60%を覆う中、農家は春の種まきを開始
Drought Engulfs 60% Of U.S. As Farmers Begin Spring Planting
zerohedge.com 2026/04/17
米国の農業地帯の広範囲で大規模な干ばつが発生し、作物や家畜が脅かされ、最終的には食料価格にも影響が出ている。
しかも、肥料やディーゼル燃料の価格が高騰しているこの時期にだ。 NOAA によると、北半球の生育期が始まり、農家が種まきを始める 4月初旬の時点で、米国本土 48州の 60%が干ばつに見舞われている。
米国南部ではすでに深刻な干ばつ、極端な干ばつ、さらには異常な干ばつが発生しており、 サトウキビ、米、ピーナッツなどの主要作物に大きな影響が出ているほか、果樹も異常な高温によって被害を受けている。

国の穀倉地帯として知られるグレートプレーンズ一帯では、冬小麦農家が、生育不良の作物をそのまま栽培するか、損失を最小限に抑えて植え替えるかという決断を迫られている。乾燥した土壌も発芽を困難にしている。
干ばつは牧場経営者にとっても事態を複雑化させている。というのも、国内の牛の飼育頭数はすでに 1950年代以来の最低水準にまで落ち込んでいるからだ。
その結果、一部の牧場は飼育頭数をさらに減らす可能性があり、そうなれば牛肉価格は過去最高値を更新するだけだろう。
米国の牛肉価格の推移(2007年-2026年)

米国西部では、降雨量そのものよりも、山岳地帯の積雪量の減少が問題となっており、生育期を前に灌漑用水の供給が脅かされている。ワシントン州のヤキマ盆地やコロラド川沿いなどでは、農業用水の使用量削減がすでに議論されたり、実施されたりしている。
Xユーザーのトニー・ヘラー氏は、「米国は、ジェームズタウンの入植者を壊滅させた 1610年の干ばつに匹敵する可能性のある干ばつに直面している」と指摘した。
食料価格にとって悪いニュースばかりが続く中で、トレーダーたちはこれらの農業 ETF (農産物価格の先物指数などに連動した投信)に殺到している。

