疾病と感染症

今年のアメリカでの食中毒症例数が、例年と比べて500%近く増加している

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食中毒が平年より大幅に増加している米国。しかし、その主因はサイクロスポーラ症

アメリカでは、サイクロスポーラという寄生虫による感染症が爆発的に増加していることは何度か取り上げました。

サイクロスポーラ症例が全米41州に急拡大。しかし、発生源はいまだに突き止められず
2026年7月23日

激しい下痢などを症状とする、いわゆる食中毒ですが、このサイクロスポーラ症を含めて、今年のアメリカは、食中毒が平年に比べて非常に多いということを米 CNN が報じていました。

記事には以下のようにあります。

米国疾病対策センター(CDC)のデータによると、今年これまでに発生した食中毒事例は約 7,400件に上る。これは、2021年から 2025年までの年間平均約 1,500件のほぼ5倍に相当する。

このように、平年より食中毒が 500%などの増加となっていることを示しています。まあ、もっとも食中毒に関しては、軽い症状の人たちはわざわざ受診したり、保健当局に申告したりする事例は少ないと思いますので、実際の数は不明としか言いようがないです。

しかし、グラフを見てみますと、サイクロスポーラ症が圧倒した増加を示している他は、それほど例年と変わらないか、むしろ減少している気もします。

オレンジ色がサイクロスポーラ症です。

2021年から2026年の米国の食中毒報告数

結局、サイクロスポーラ症だけが非常に増加しているということになるのかもしれないですが、このサイクロスポーラ症というのは「日和見感染症」で、感染すると誰でも発症するのではなく、「免疫が弱っている人が発症するもの」です。

そういう観点から見れば、また別の見方もできそうです。

さすがに猛暑だけで食中毒の増加を説明できるものでもないですし、そもそもアメリカは、地域にもよりますが、それほど猛暑が続いているわけではないです。

食中毒だけではなく、呼吸器感染症や皮膚疾患などを含む多くの感染症は、外的な要因(ウイルスや寄生虫など)の問題より、個人の免疫の問題が大きいのではないかと私自身は思っています。

ともかく、アメリカの食中毒の増加について、CNN の記事です。




 


単なる感覚の問題ではない。今年の夏は食中毒の発生が特に深刻となっている

It’s not just a gut feeling: Foodborne illness outbreaks are especially bad this summer
CNN 2026/08/13

どの野菜を買い物かごに入れるか、ランチメニューから何を選ぶかといったことが、今年の夏ほど重大な決断だと感じられることはめったにない。食品のリコールや食中毒がニュースの見出しを飾っているからだ。

この懸念はもっともだ。連邦政府のデータによると、今年は米国で食中毒の発生件数が特に多い夏となっている。また、発生源の特定や被害の全容把握には多くの課題があり、未解決の疑問が残る可能性がある。

2021年から 2025年にかけて、米国食品医薬品局(FDA)は年間平均約 25件の食中毒発生事例を調査した。今年、FDA はすでに 20件の調査結果を公表しており、18件の食中毒集団発生事例について調査を継続中であるとしている。

FDAは過去 2か月だけで、 食中毒発生に関する調査結果を12件公表した。

夏は通常、食中毒が最も多く発生する時期だが、少なくとも過去 5年間で、これほど短期間にこれほど多くの食中毒が発生した時期は他にない。

この夏は、食品汚染が広がりやすい猛暑や、特定が非常に困難な病原体など、様々な課題が重なり合っている。トランプ政権下での連邦政府の予算削減により、連邦機関による食品検査の予算と、感染源を特定するための追跡調査を行う州および地方の保健局への助成金の両方が削減された。

「食中毒に関して、公衆衛生システムがまさに試されている状況です」と、州・準州保健当局協会の会長であるマニシャ・ジュタニ博士は述べた。

FDA は CNN への電子メールで、感染症発生調査の件数は「例年より増加している」として以下のように述べた。

FDAは食中毒の検査室での検出能力向上に絶えず取り組んでおり、こうした監視体制の強化は検出率の向上につながることが多い。食品供給の安全性を確保することは、グローバルサプライチェーンの様々な関係者が共有する責任である。食中毒の発生は消費者と業界全体に影響を与えるため、すべての関係者が食品安全対策に積極的に参加しなければならない。

事例は急速に増加している

現在進行中の調査は、過去 5年間に発生した集団感染に関与した最も一般的な 4つの病原体、すなわちサイクロスポーラ、大腸菌、リステリア菌、サルモネラ菌を対象としている。

食品安全の専門家は、この夏に発生した食中毒の件数が急増したことは驚くべきことだが、食中毒の発生件数(あるいはリコール件数)を追跡することは、食中毒菌によるリスクを把握する最善の方法ではないと述べている。

1回のリコールで、様々な店舗やレストランで販売されていた複数の異なる製品が対象となる場合が少なくない。

「深刻さや影響を十分に考慮に入れていない」と、食品安全の提唱者であり、ノースイースタン大学で食品政策と企業の社会的責任を専門とする元教授のダリン・デトワイラー氏は述べた。

「私たちは、深刻度、頻度、規模、公衆衛生上の負担、そしてシステムのパフォーマンスという5つの要素を測定する必要があります。予防可能なはずの事故が、それを阻止するための規制にもかかわらず、繰り返し発生しているのでしょうか?」

彼らによれば、より適切な指標は、感染症の発生に関連した患者数だという。しかし、それは必ずしも安心材料にはならないだろう。米国は、過去最悪の年の一つとなる見込みだからだ。

米国食品医薬品局(FDA)と米国疾病対策センター(CDC)のデータによると、今年これまでに発生した食中毒事例は約 7,400件に上る。これは、2021年から 2025年までの年間平均約 1,500件のほぼ 5倍に相当する

今年発生した病気の大部分は、タコベルなどのレストランで使用され、テイラーファームズによって広く流通されたアイスバーグレタスが原因のサイクロスポーラ症の集団発生によるものだ。

先週の時点で、少なくとも 6,358人がこの集団発生に関連していると確認されており、これは過去 4年間のすべての集団発生による患者数を合わせた数よりも多い。

さらに数千件の症例が調査中だ。これは米国で記録された中で最大のサイクロスポーラ症の集団発生であり、食中毒の集団発生全体でも最大規模の一つだ。

しかし、他の食中毒発生源からの食中毒も急速に増加している

FDAのデータによると、2026年に入ってから、サイクロスポーラ症の流行以外にも、感染症の発生に関連した症例が 1,000件以上報告されている。今年も残り4か月を切った時点で、このペースでいくと、大規模なサイクロスポーラ症の流行に加え、過去 5年間の年間平均症例数を上回る見込みだ。

米国の食中毒病原体による集団感染の患者数

専門家によると、今年の夏に発生した問題は規模と複雑さの点で際立っているが、公衆衛生当局は食中毒の発生に常に対応しているという。

こうした業務は通常、小規模な集団発生であり迅速に対処できるため、人目に触れることなく行われることが多い。しかし今年は、食中毒の発生件数と規模が急増し、対応体制が逼迫し、対応能力が阻害されている。

「複雑な病気が前例のないほど大規模な流行を起こしています」と、州・準州疫学者協議会の事務局長であるジャネット・ハミルトン氏は述べた。

「大規模で複雑な感染症の発生に対応するには、人員を増強する必要がありますが、現在、人員、資金、専門知識の大幅な削減により、公衆衛生システムが大きな負担を強いられていることを強調したいです」と彼女は述べ、「十分な人員増強体制がなければ、調査すべき案件が多すぎます」と付け加えた。




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