ロシア領内で、ウクライナ軍が配備したと見られる「新型の対人地雷」をロシア軍が発見したことを、ヨーロッパのメディア REMIX が伝えていました。
少し前、米国政権はウクライナに「対人地雷を送る」というという決断をしたばかりですが、対人地雷は世界 164カ国で使用が禁止されている兵器です。以下に報道の翻訳があります。
(参考記事)米国がウクライナに「世界150カ国以上で使用が禁止されている」対人地雷を送る
BDW 2024年11月21日
今回のロシア領では、複数のタイプの地雷や新型の爆発装置が見つかったようで、そのうちのひとつは「草と同じカモフラージュ」をなされていて、一見では、ほぼ判別することができないものも含まれます。
さらに、この地雷は、金属ケースではなく、プラスチックケースに入れられているため、金属探知機での検出もできません。
まずは、その報道をご紹介します。
ウクライナ、ロシア領土に恐ろしい新兵器を配備
Ukraine deploys terrifying new weapon on Russian territory
rmx.news 2024/11/22
ロシア軍はクルスク地方で、ウクライナ軍が地方に散布した新型の小型爆発装置を発見した。
ロシア軍によると、この小型爆発装置はロシアが開発した凶悪な PFM-1 小型地雷よりもさらに凶悪だという。
この新兵器の動画がソーシャルメディアに登場している。
A Russian soldier, reportedly in the Kursk direction, highlights a "new type of mine" allegedly used by Ukrainian forces, claiming it is more effective than the "Lepestok." What is it? pic.twitter.com/FR25SyHzc7
— WarTranslated (Dmitri) (@wartranslated) November 20, 2024
これらの小型地雷はウクライナ人が開発したとの主張もあるが、米国がウクライナに戦場での米地雷の使用を認めると発表したのとほぼ同時期にも登場している。この決定はジョー・バイデン大統領が退任直前に下したものだ。
これらの地雷は戦場のあちこちに無人機から大量に投下されたと考えられている。これらの小型地雷は人を殺すために作られたものではなく、ひどい怪我を負わせ、被害者に永久的な障害を残すことも多い。
インターネット上に出回っている映像には、見た目の異なる地雷がいくつか映っているが、ロシア軍兵士によると、それらはすべて PFM-1 よりも「効果的」だという。この地雷によって、すでにロシア人が負傷または死亡したかどうかは不明だ。
地雷の 1つは草の塊のように見え、ロシア兵によれば野原で見つけるのは事実上不可能だという。
ウクライナ軍が投下した地雷には、一定時間後に無効化する電池が装備されているとされているが、民間人にとっても大きな危険をもたらす。
ソ連製の PFM-1 も同様の装置だが、残酷なことで知られている。この数グラムの小型歩兵用地雷は非常に敏感で、少しでも触れると爆発するが、致命傷を与えるケースはごくわずかだ。
もう 1つの問題は、爆発物の容器に金属が入っておらず、代わりにプラスチックでできているため、金属探知機で検出されないことだ。
ここまでです。
記事に「 PFM-1 」という名称のソ連製の兵器が出てきますが、以下のようなものです。
PFM-1レペルストクは、ソビエト連邦軍で開発された空中散布式の対人地雷である。「レペルストク」は花びらの意味。アメリカ軍のBLU-43 を元に、1975年に開発された。
アフガニスタン侵攻作戦でこの地雷が使用された際、この独特の形状と色彩から子供が興味を持って散布されたものを拾ってしまい爆発、死傷する事件が多数発生した。
一般的に、地雷の目的は、
> 敵の兵站および医療資源を圧倒するため、殺害ではなく重傷を負わせることを目的として設計されている。Fox News
ことにあり、また金属探知機で検出できないタイプの地雷は、戦争が終わった後でも、いつまでも一般人へのリスクが残るものです。
こういう殺傷兵器をドローンから、どこにでも散布できる時代というのも、何ともカオスな時代ではあります。
なお、ウクライナは 1997年の対人地雷禁止条約に署名している国ですので、脱退していない現時点では条約に違反していることになります。