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世界で最も危険な超巨大火山のひとつであるイタリアの「カンピ・フレグレイ」が目覚めているかもしれないと研究者たちが警告

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フレグレイ平原。 earth.com




イタリアに、カンピ・フレグレイ(あるいは、フレグレイ平原)という「超巨大火山」があります。これは、何年も前から噴火の兆候かもしれない動きを見せ続けていまして、2019年7月の以下の記事でもご紹介したことがありました。

広範な滅亡を導くとされるイタリアの超巨大火山カンピ・フレグレイの周辺状況が慌ただしい…
 In Deep 2019年7月4日

このような超巨大火山が巨大な噴火を起こした場合、とてつもない範囲が長い期間にわたって影響を受けると考えられています。

超巨大火山ではなくとも「カルデラ噴火」とか「破局噴火」と呼ばれる巨大噴火が日本で起きた事例としては、 7300年前に、九州沖にある「鬼界カルデラ」というものの噴火があります。

この 7300年前の、つまり日本の縄文時代の鬼界カルデラの噴火の後は、

「九州の遺跡に 1000年近い空白期間がある」

ことが知られています。

そのような長期間にわたり文明が消失する可能性があるのです。

なお、世界で最も危険な火山上位 10は以下のようになっています。

2015年版 世界で最も危険な火山 10

1位:硫黄島(東京都)
2位:アポヤケ山(ニカラグア)
3位:カンピ・フレグレイ(イタリア)
4位:阿蘇山(熊本県)
5位:トランスメキシコ火山帯(メキシコ)
6位:アグン山(インドネシア)
7位:カメルーン山(カメルーン)
8位:タール山(フィリピン)
9位:マヨン山(フィリピン)
10位:ケルート山(インドネシア)

日本周辺にも多いですが、こういう破局的な噴火は、日本でいえば 6000年に 1度ほど起きていたされていまして、それほど天文学的な数値でもないのですよね。

ともかく、イタリアのカンピ・フレグレイの調査についての最近の論文を取り上げていた記事をご紹介します。





超巨大火山が目覚め始めている。それは世界をカオスに陥れてしまう可能性がある

Supervolcano is starting to wake up, which would plunge the world into chaos
earth.com 2024/11/28

巨大な超巨大火山と考えられているフレグレイ平原が動き始めており、科学界を不安にさせている。

イタリアのナポリのすぐ西に位置するこの火山地帯は、世界でも火山性二酸化炭素の排出量が最も多い 8つの地域に数えられる。

2005年以来、特にソルファタラ火口から放出されるガスの量が増加しており、研究者や地元住民の注目を集めている。

イタリア国立地球物理火山研究所(INGV)の火山学者ジャンマルコ・ブオノ氏は、このガス排出量の急増の原因を解明するための研究を主導している。

「二酸化炭素の発生源を推定することは、マグマ系と熱水系で何が起こっているかを正しく再構築するために重要です」とブオノ氏は言う。

彼のチームは、マグマから発生する二酸化炭素と他のプロセスによって放出される二酸化炭素を区別できるツールを提供することを目指しており、この方法は世界中の火山地域で役立つ可能性がある。

 

超巨大火山とはいったい何なのか

簡単に言えば、超巨大火山は本質的には、通常の火山の何千倍もの強力な噴火を起こすことができる巨大な火山システムだ。

これらの噴火により、1,000立方キロメートルを超える物質が大気中に放出され、地球の気候と環境に壊滅的な影響を及ぼす可能性がある。

おそらく、アメリカのイエローストーン国立公園のような場所については聞いたことがあると思われるが、フレグレイ平原もまた最も有名な超巨大火山のひとつだ。

超巨大火山が噴火すると、数十マイルに及ぶ巨大なクレーターである巨大カルデラが形成されることがある。

こうした噴火は規模が大きいため稀な出来事だが、地球上の生命に影響を及ぼす可能性があるため、科学者が注目していることは間違いない。

 

数字が雄弁に語る

現在、ソルファタラ火口は毎日 4,000~ 5,000トンの二酸化炭素を排出している。これは、毎日約 50万ガロン(約 190リットル)のガソリンを燃やすことで排出される量に相当する。

地質学誌に最近発表された論文で、ブオノ氏と彼の同僚は、この二酸化炭素の 20%から 40%は周囲の岩石中の方解石の溶解から生じたものだと推定している。残りの 60%から 80%が地下のマグマに由来する。

マグマが地表に近づくと圧力が低下し、内部に閉じ込められていたガスが放出される。これらのガスには水蒸気、二酸化炭素、二酸化硫黄が含まれる。

科学者たちは、地震を監視し、地盤の変形を測定し、蒸気やガスを放出する地殻の開口部である噴気孔から放出されるガスを分析することによって、火山を注意深く監視している。

このガス排出量の増加が火山活動の兆候である可能性はある。ただし、ガス排出量の増加が必ずしも噴火につながるわけではない。

 

数十年にわたる変化の監視

1983年以来、イタリア国立地球物理学火山学研究所は、この火口からのガス放出を監視している。

研究者たちは当初、窒素、ヘリウム、二酸化炭素の比率を研究し、ガスは主に深部のマグマ源から来ていると結論付けていた。

「私たちは主に地球化学的変化、特に二酸化炭素、ヘリウム、窒素に焦点を当てました。なぜなら、これらは非反応性物質だからです。これらにはマグマ内で何が起こっているかに関する情報が含まれています」とブオノ氏は説明する。

しかし、2005年に状況は変わり始めた。データは、マグマ由来のガスの典型的な化学的特徴から外れ始めた。この変化は、浅い熱水系の温度上昇を伴い、時間の経過とともに続いた。

2012年までに、この地域の警戒レベルは緑から黄色に引き上げられ、活動が活発化しているものの、噴火の差し迫った脅威ではないことが示された。

この地域では地下の変化が起きただけではなく、小さな地震や顕著な地盤変動も観測された。

これらの兆候は、地表の下で高温の流体が循環していることを示している。

 

なぜこれが重要なのか

火山地域における二酸化炭素排出源を理解することは、公共の安全と環境監視にとって非常に重要だ。

マグマから放出されるガスと他のプロセスから放出されるガスを区別することで、科学者は火山活動をより正確に予測し、潜在的なリスクを評価することができる。

まとめると、フレグレイ平原とソルファタラ火口の下で実際に何が起こっているのかを解明することは、科学マニアだけでなく、地球上に住むすべての人にとって大きな問題だ。

ブオノ氏のチームは、二酸化炭素排出量の急増はマグマが上昇しているからだけではないことを明らかにした。そのガスのかなりの部分は、実は地中の方解石を多く含む岩石と相互作用する高温の流体から発生しているのだ。

この種の情報は、火山活動をより注意深く監視するのに役立つだけでなく、さらに重要なことに、人々の安全を守るのに役立つため、非常に貴重だ。







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