2025年4月11日 SNSに投稿された中国北部の様子
世界新聞網
まれに見る強風
中国の首都北京を含めて、4月11日から 13日まで、「かつてない強風に見舞われた」ことが報じられています。
台風やハリケーン、あるいは暴風雨などでの強風被害はよく聞くものですが、「強風だけの被害」というのは、東アジアではわりと珍しいもののように思います。特に北京でこのような強風が吹くのは、過去数十年なかったことだと報じられています。
なお、いくつかの報道のタイトルを見ますと、
「レベル15の強風が吹き荒れた」
というようなタイトルが見られるのですが、中国の強風の基準を知らないですので、調べてみますと、
＞ 中国が制定した国家基準「風力レベル」によれば、風力レベルは標準気象観測場における高さ 10メートルの風速に応じて順に 18段階に区分されている。（新華社）
ということで、最大レベル18まであるようですが、実際には、レベル12を超えるような強風は、中国の陸地ではほぼないもののようです。
別の報道には以下のようにあります。
中国語の報道より
関連データによれば、風速は一般にその強さに応じていくつかのレベルに分けられる。風力レベル 8は、小枝が折れたり、屋根瓦が吹き飛んだりするほどの強風だ。
風力レベル 12はハリケーン級であり、大きな破壊力を持つが、陸上で見られることは稀だ。家屋の倒壊やインフラへの深刻な被害、海上での巨大な波浪による船舶の航行の極めて危険な状況を引き起こす可能性がある。
今回河南省で発生したレベル15の強風は風速が毎秒 46.2～ 50.9メートルに達し、その破壊力は想像に難くない。
以下は、河南省の町でレベル15の強風が過ぎ去った後の映像です。樹木が根こそぎ倒されています。
4月12日，河南出现15级大风，大樹被連根拔起。 pic.twitter.com/b11vDmk6Cd
— ying tang (@yingtan04410735) April 12, 2025
なお、強風の発生前に、中国当局が、「体重 60キロ以下の人は強風に吹き飛ばされる可能性があるため、外出を避けるように」という通達が出ていたようです。
ともかく、この今のご時世で、中国に希な強風が吹き荒れた、ということ自体が何とも印象的な出来事でした。
その報道をご紹介します。
北京では珍しい強風が吹き荒れ、体重60キロ未満の人は外出を控えるよう呼びかけられている
罕見狂風來襲 北京籲「100斤以下別出門」
中國新聞組 即時報導 2025/04/12
強風が襲う前に、北京のスーパーマーケットでは多くの物資が売り切れていた。
中央気象台は 11日、北京市に対し「オレンジ色強風警報」を発令し、「陸上ではめったに見られない」持続的な強風が発生すると予測した。
今朝午前1時、北京市門豆溝高山バラ園では風速レベル14の強風が記録された。
当局は北京市民に対し、自宅に留まり「戦時警戒状態」に入るよう呼びかけ、特に「体重 60キロ未満の人は簡単に吹き飛ばされる恐れがあるため」外出を控えるよう求めた。
北京の多くの景勝地が閉鎖された。故宮博物院は「世界遺産を守る」ため本日休館となり、一部の列車は運休となった。多くのスーパーマーケットは食料品を買い求める人々で溢れ、多くの棚が空っぽになった。
報道によると、4月11日から 13日にかけて、強い寒気の影響で、中国北部では歴史上同時期には稀なほどの持続的な強風が吹く見込みだ。
このプロセスは広範囲に影響を及ぼし、長期間続くため、一部の地域では非常に極端で悲惨な事態となる可能性がある。
中央気象台は午前 6時、警報を「同時 4警報」に引き上げ、さらに対流性気象の黄色警報、大雪の黄色警報、砂嵐の青色警報を発令した。
風速がレベル 12 を超えると、一般的に影響が「極めて破壊的」となるとされている。
中央気象台によると、11日午前1時40分頃、北京市最大の突風が門頭溝高山バラ園で発生し、風速は毎秒 45.2メートル、風力レベル14に相当する突風が吹いた。平野部では突風が 8～ 11レベル、山岳部では 13レベル以上となった。
北京市党委員会副書記兼市長の殷勇氏は 10日、各地区、各部門に対し、人民と生命を第一とし、戦時体制を維持し、危険予防意識を強化し、強風との厳しい戦いに打ち勝つために全力を尽くすよう呼びかけた。
北京で珍しい強風警報が発令され、多くの市民が対策を講じた。ガラスが割れるのを防ぐために窓にテープを貼ったり、インスタントラーメンを買いだめしたりする人もいた。
強風が来る前に、より多くの人々がスーパーマーケットに駆け込み、物資を買い求めた。
北京市東城区の盒馬鮮生鮮店のスタッフは以下のように語った。
「注文が急増しており、野菜はほとんど在庫切れですが、肉と水はまだたくさん残っています。しかし、風の影響で物流が影響を受け、補充ができない可能性もあります」
また、強風の影響で、マラソンなど本日予定されていた多くのイベントが延期となり、多くの観光スポットや博物館が閉鎖され、北京では一部の旅客列車が運休となり、一部の航空便が欠航または遅延となった。