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チリのジェミニ天文台が捉えた「まるで蝶そのもののような星雲」

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ジェミニ天文台南望遠鏡が撮影した惑星状星雲NGC 6302

Night Sky Today




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その名はバタフライ星雲

冒頭の写真をソーシャルメディアで見たとき「また AI 生成画像かよ」と思ったのですけれど、念のため、国際ジェミニ天文台のウェブサイトを見ますと、

「これは本物」

でした。

ジェミニ天文台は、ハワイとチリにある天文台ですが、今回、この画像を観測したのは、チリのあるジェミニ南望遠鏡のほうです。

撮影されたのは、2025年11月で、この 2025年というのは、ジェミニ天文台南望遠鏡の運営 25周年だそう。

蝶の羽のように見える部分は、ガスの流出が起きている部分のようで、それがこのような形を作っているとのことでした。

全然関係ない話ですが、昨年は、太陽の表面に「蝶のような形のコロナホール」が現れたこともありました。

2025年9月10日の太陽

BDW

いろいろな形の星雲があるもだなあと改め思いますが、今回の星雲の説明はジェミニ天文台ウェブサイトの以下にあります。




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ジェミニ南望遠鏡が、蝶形星雲の素晴らしい写真で25周年を祝う

Gemini South Celebrates 25th Anniversary With Stunning Snapshot of the Butterfly Nebula
gemini.edu 2025/11/26

惑星状星雲 NGC 6302はチリのジェミニ南望遠鏡によって精巧に捉えられ、非常に高温の星によって引き起こされるダイナミックなガス流出を明らかにした。

国際ジェミニ天文台の完成25周年を記念し、チリの学生たちはジェミニ南望遠鏡を使って、宇宙の蝶のような渦巻く惑星状星雲 NGC 6302 の撮影を行うことに成功した。国際ジェミニ天文台は、米国国立科学財団(NSF)の資金援助を受け、NSF NOIRLab (国立光赤外線天文学研究所)によって運営されている。

チリのセロ・パチョン山にある国際ジェミニ天文台の一部であるジェミニ南望遠鏡が捉えたこの画像では、蝶形星雲の輝く「羽」が星間物質から飛び出しているように見える。

この美しい天体は、ジェミニ初観測記念画像コンテストの一環として、チリの学生によって 8.1メートル望遠鏡のターゲットとして選ばれた。

このコンテストでは、2000年11月のジェミニ南望遠鏡の初観測を記念して完成以来、国際ジェミニ天文台が築き上げてきた遺産を祝うため、学生たちがジェミニ望遠鏡の設置場所に集まった。

惑星状星雲 NGC 6302は、さそり座にある 2500光年か ら3800光年の距離に位置する双極惑星状星雲だ。

発見時期は様々な文献で報告されているが、一般的にはアメリカの天文学者エドワード・E・バーナードによる 1907年の研究とされている。ただし、スコットランドの天文学者ジェームズ・ダンロップが 1826年に発見した可能性もある。正式名称は NGC 6302 だが、バタフライ星雲、バグ星雲、コールドウェル69 とも呼ばれている。

惑星状星雲は、その寿命の終わりに近づき、物質を放出している大質量星と、それを囲む膨張して輝く電離ガスの殻からなる、散光星雲の一種だ。

これらの魅惑的な構造は、通常、惑星のような丸い形をしており、望遠鏡で観測した初期の天文学者によって「惑星状星雲」と名付けられた。

しかし、バタフライ星雲は丸い惑星ではなく、飛行中の翼のある生き物のように見えることにお気づきかもしれない。このユニークな構造の形成は、星雲の中心にある恒星が、その寿命の終わりに近づくにつれてガスと塵の層を放出することによって促進されている。

2009年、ハッブル宇宙望遠鏡(HST)に搭載された広視野カメラ3は、中心星が白色矮星(太陽のような恒星の高密度残骸)であることを確認した。この白色矮星は 2000年以上前に外層を放出し、現在では太陽の約3分の2の質量になっている。白色矮星は知られている中で最も高温の恒星の一つで、表面温度は 25万度を超えており、この星が形成された原始星は非常に巨大であったことを示唆している。

NGC 6302 の研究により、劇的な形成史が明らかになった。白色矮星になる前、この恒星は太陽の直径の約 1000倍の赤色巨星だった。

この巨大な恒星は外層のガスを放出し、そのガスは比較的ゆっくりとした速度で赤道から外側へと移動し、現在も恒星の周囲に見える暗いドーナツ状の帯を形成した。また、この帯に垂直な方向にガスが放出されたことで、ガスの流出が制限され、現在見られる双極構造が形成された。

現在、白色矮星となったこの恒星は、強烈な放射線を発しており、NGC 6302 のこの「翼」を摂氏 2万度以上に加熱し、ガスを輝かせている。

画像中に見える濃い赤色は、エネルギーを帯びた水素ガスの領域を示しており、鮮やかな青色の部分は、エネルギーを帯びた酸素ガスの領域を示している。

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