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スリランカ政府が「食糧不足による非常事態宣言」を発令。同法により当局は自由に民間から食糧を押収できることに。翌日から軍による強奪が開始される

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outlookindia.com




 

スリランカでは、コロナ対策による金融危機により、過去にないような食糧不足が発生しています。米、砂糖、じゃがいもなどの基本的な食糧が不足しており、食料品店に長い列ができている写真が見られます。

2021年9月3日 食料品店に並ぶ人たち。スリランカの最大都市コロンボ

guardian.ng

この写真で、スリランカでもマスク義務があることを知りましたが、それはともかく、主食などを含む中心的な食物が不足、あるいは激しく価格が高騰しているようです。

そのような中、スリランカ大統領は、食糧問題のために、

「スリランカ全土に非常事態を宣言する」

としました。

しかし、この内容というのが、この緊急法により、政府当局は「民間人の食糧倉庫から令状なしに食糧等を押収あるいは強奪できる」というものです。

実際、この翌日には、スリランカ軍による民間企業の倉庫への急襲が行われ、1万3000トンの砂糖が当局に押収されたと報じられています。

要するに、「不足している食糧を民間から押収する」という方法です。

食糧を備蓄している民間業者から食糧を奪い、市場に流すことで食糧危機を乗り切るというもののようで、やり方のほうもかなり強圧的ではあるのですが、それより問題は、

「民間から食糧を押収できている間はともかくその後は?」

という話になりそうです。

そもそものスリランカの食糧危機の発端は、コロナ対策による金融や経済の崩壊によるものですので、それが改善しない限り、輸入食糧などの流通状況が良くなることはないはずですが、経済危機が改善する兆しはありません。

こんな方法の非常事態宣言を実行してしまうと、スリランカの食糧問題は、本当に後がなくなるのでは、という懸念も感じます。

もちろん、この緊急法の押収は「個人」からも行えますので、食糧を備蓄している人の家を令状なしで捜索し、備蓄している食糧を強奪することもできます。

何だか世界中いろいろなことになってきていますが、スリランカの状況について、アルジャジーラの報道をご紹介します。


スリランカ議会が非常事態を承認

Sri Lanka parliament approves state of emergency
aljazeera.com 2021/09/07

スリランカ議会は大統領が宣言した非常事態を承認した。

大統領は、多くの食料品が不足している中で、食料価格を管理し、買いだめを防ぐ必要があると述べ、 8月30日に緊急事態を宣言した。

野党議員たちは、他の法律が必需品を維持するために使用される可能性があり、厳しい緊急規則が反体制派を抑圧するために悪用される可能性があるため、緊急宣言は必要ないと述べている。

与党が 150議席を超える 225人の議員によるスリランカ議会での投票決議は、賛成 132票、反対 51票という結果だった。

この緊急法により、当局は令状なしに人々を拘留し、財産を差し押さえ、敷地内に立ち入り、捜索し、法律を一時停止し、法廷で争うことのできない命令を出すことができる。

スリランカは、数十年にわたる内戦を経験したため、過去 50年間、非常事態が宣出されることがあった。当局はしばしば、敵を抑圧するために緊急法を使用したとして非難されることもあった。

スリランカでは、この数週間、砂糖、粉ミルク、調理用ガスなどの必需品が不足している。政府は、買いだめが人為的に不足を引き起こしたと主張する。

同国はまた、多額の債務返済とともに、観光の減少と輸出の減少によって引き起こされた為替危機に直面している。







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