シンガポールも過去最大級の人口減少の渦中に
まあ、その理由はともかく、世界中で超過死亡数が増加しているのですが、最近シンガポール政府から発行された人口動態データで、
「 2022年のシンガポールの死亡者数増加率が過去 62年で最多となった」
ことが示されていました。
シンガポールは、少なくとも 2回目のコロナワクチン接種率では、世界最高といわれる数値 (90%)となっていたのですけれど、今回の過去最多の死亡数増加が、それと関係しているのかどうかは、ここではふれません。
こちらのサブスタック記事に、シンガポール政府データを参照した表が示されていますが、過去 20年間のシンガポールの「前年との死亡数の変化」を数値で書きますと以下のようになります。
2022年までの20年間の前年比の死亡数の推移
死亡数 前年比
・2003年 16,036人 1.4%
・2004年 15,860人 -1.1%
・2005年 16,215人 2.2%
・2006年 16,393人 1.1%
・2007年 17,140人 4.6%
・2008年 17,222人 0.5%
・2009年 17,101人 -0.7%
・2010年 17,610人 3.0%
・2011年 18,027人 2.4%
・2012年 18,481人 2.5%
・2013年 18,938人 2.5%
・2014年 19,393人 2.4%
・2015年 19,862人 2.4%
・2016年 20,017人 0.8%
・2017年 20,905人 4.4%
・2018年 21,282人 1.8%
・2019年 21,446人 0.8%
・2020年 22,054人 2.8% ※ この年の12月30日からワクチン接種開始
・2021年 24,292人 10.1%
・2022年 26,829人 10.4% 過去62年で最大の増加
ちなみに、パンデミック前の 2019年と比較すると「 25%の増加」という壊滅的な数値となります。
死因が何であるのかは示されていないですが、では、「コロナによる死亡の増加」でしょうか。
それを見てみましょう。
以下は、パンデミック期間中の累積「超過死亡数」と、累積の「新型コロナウイルスによる死亡数」の比較です。シンガポールの人口は 540万人ほどで、日本の 20分の1以下です。
全超過死亡数とコロナ死亡数の推移の比較 (累積)
ourworldindata.org
コロナは、全体の超過死亡数の一部でしかないことがわかり、さらには、
「 2022年に入ってからは全体の超過死亡数だけが大きく伸びている」
こともわかります。
シンガポールは、「コロナの流行が収まった 2022年のほうが、数多くの方々が《何らかの理由》で亡くなった」ことになります。
ワクチン接種からもずいぶんと時間が経過しており、いわゆる「副反応」というようなことともあまり関係していないように見えることもわかります。
これに関しては、最近、日本の 2022年12月の厚生労働省の人口動態統計を以下の記事でご紹介しましたが、前年同月比として過去最大の死者数の増加となっているだけではなく、年間を通して、日本の人口が過去最大の減少となっていました。
人口動態統計速報より「2022年12月の死亡数」の前年との比較
厚生労働省
以下の記事で書いていますように、こちらも「時間が経てば経つほど、死亡数が増加していっている」ことが示されています。
[記事] 時間が経てば経つほど「むしろ死亡率が加速」している…。2022年12月の人口動態統計速報を見て
地球の記録 2023年2月28日
この状態が、今後さらに加速するのではないかということを以下の記事でふれたことがあります。
[記事] ワクチン後の損傷、巨大な血栓、未知のタンパク質、そして逆転写と「切断されたmRNA」との関連
In Deep 2023年2月23日
そして、日本や韓国などを含む世界中の主要国で「著しく出生率が下がっている」ことが 2021年から示されています。
[記事] 2021年以降の主要国の「出生率の劇的な低下」の詳細な分析と、推定されるその要因
In Deep 2023年2月25日
そして、2022年のシンガポールでは、周産期死亡(死産および生後7日未満の赤ちゃんの死亡)率が、
「前年比で 58.6%増加した」
ことが示されています。
シンガポールの2019年からの周産期死亡数の推移
・2019年 73人
・2020年 78人
・2021年 78人
・2022年 133人 ※ 前年比 58%増
イギリス政府は、昨年以来、周産期死亡数のデータの公表を停止していますが、そういう国は今後多くなりそうです。
しかし最も気になるのは、シンガポールは確かに、2回目までのワクチン接種は世界最高率でしたけれど、「ブースター」が始まって以来、接種率で日本を超える国はありません。
シンガポールはブースター接種率に関するデータを昨年 10月以来おこなっていませんので、以下は昨年までのデータで、日本のブースター接種伸び率はシンガポールの倍に迫る勢いです。
ブースター接種率の推移の比較
ourworldindata.org
日本は、今は 140%にまで達しようとしています。
これがどのような影響と関係するのか。
しかし、それでも、結局、今年がどのようになるのかは、来年まではわかりません。