ウクライナが米国製の長距離ミサイルでロシア国内攻撃したことへの報復として、11月21日、ロシアは、新型の中距離音速ミサイル「オレシュニク」でウクライナを攻撃しました。
・ロシアの新型中距離超音速兵器「オレシュニクミサイル」について
BDW 2024年11月24日
その日から、アメリカ国内で「シェルターの販売数が驚異的に伸びた」ことが報じられています。
まあ、今回ご紹介するロシア RT の記事にもありますけれど、いかにオレシュニクが高性能ミサイルだとはいえ、その射程距離は 3,000キロから 5,500キロで、アメリカ本土のほとんどは射程距離に入っていないのですが…（日本は全土が射程圏内です）。
それでも、人々はシェルター購入に殺到しているようです。
もう 7年前のことですが、日本でも、核シェルターの売り上げが急増したことが海外で報じられていたことがあります。
・黙示録的な準備の時代に ： 「夏のボーナスで買える核シェルター」に注文が殺到する日本
In Deep 2017年4月27日
その時の英国サンの報道より
The Sun
日本にもアメリカにも、国が用意してくれるタイプのシェルターがないために、個人で購入するしかないという感じなんでしょうが、シェルターが国によって完全に用意されている国や地域もあります。
スイスには国民全員分のシェルターがありますし、ロシアのモスクワにも、市民全員分のシェルターが用意されています。超富裕層向けのシェルターも各地に作られています。
ともかく、アメリカのシェルターの売り上げについての記事です。
ロシアのオレシュニク攻撃により米国でのシェルター販売が増加
Russia’s Oreshnik strike boosted bunker sales in US – media
RT 2024/12/18
家庭用サバイバルシェルターの米国の市場は2030年までに1億7500万ドル（約270億円）に成長すると予測されている
ロシアが、極超音速弾道ミサイル「オレシュニク」を実戦で使用したことにより、核シェルターを探す米国人の数が 4倍に増加したと、テキサス州に拠点を置くサバイバルシェルター会社の CEO が述べた。
ロシア軍は11月21日、オレシュニクの初の実戦テストを実施し、この弾道ミサイルを使って複数の極超音速弾頭でドニエプルにあるウクライナの軍事産業施設を攻撃した。
ロシアのウラジミール・プーチン大統領は、オレシュニク公開の決定は、米国とその同盟国が、国際的に認められたロシア領土への長距離攻撃にウクライナのミサイルを使用する許可を与えたことへの対応として行われたと述べた。
オレシュニクは核弾頭または通常弾頭を搭載でき、音速の 10倍の速度で飛行する。
プーチン大統領はテレビ演説で、西側諸国の防空システムは「このようなミサイルを迎撃することはできない。不可能だ」と述べた。
英インディペンデント紙は 12月17日、攻撃から数時間後、アトラス・サバイバル・シェルターの CEO、ロン・ハバード氏の「電話が鳴りやまなかった」という言葉を報じた。
テキサス州にある世界最大の工場で防空壕や核シェルターを製造しているハバード氏は、ウクライナ攻撃から 24時間以内に 4社の顧客が注文し、既存のシェルターの補強の注文がさらに入ったと述べた。ハバード氏はインディペンデント紙に対し、通常 1日に販売するのはシェルター 1つだと語った。
シェルターの価格は 2万ドル（約 300万円）から、高価なものでは数百万ドルにまで及ぶと彼は説明し、平均的な顧客はシェルターに 50万ドル（約 7700万円）を費やしていると付け加えた。
ハバード氏は、オレシュニク襲撃以前でも、COVID-19によるロックダウンやロシア・ウクライナ紛争、イスラエル・ハマス紛争により、すでに売上が伸びていたと述べた。
インディペンデント紙が引用した市場調査によると、米国のシェルター市場は昨年の 1億3,700万ドルから 2030年までに 1億7,500万ドルに成長すると予想されており、購入者が最も多く挙げる理由は「核攻撃やテロ攻撃、市民の暴動の脅威の高まり」だという。
ハバード氏はインディペンデント紙に対し、同社のシェルターは「竜巻からハリケーン、核爆発、パンデミック、火山の噴火まで、あらゆる災害に耐えられる」と語った。とはいえ、市販のシェルターが極超音速ミサイルの攻撃に耐えられる可能性は極めて低い。
オレシュニクの破壊力はハバード氏のようなシェルター企業に多くの顧客を惹きつけたかもしれないが、仮に全面戦争になったとしても、このミサイルが米国本土の標的に使われることはまずない。
中距離弾道ミサイル（IRBM）であるオレシュニクの射程距離は 3,000～5,500 kmで、射程圏内にあるのは米国西海岸の一部のみだ。