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マサチューセッツ工科大学が「世界で最も乾燥した砂漠でも空気から新鮮な水を取り出すことのできる」装置を発明

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世界で最も乾燥した砂漠デスバレーで、大気中から水を抽出することに成功。




いつかは、ほぼ必ず世界規模で勃発する極端な水不足

今年は、日本でも、梅雨はすぐに開けちゃうわ高温だわで、場合によっては、水不足なんていう可能性もないではなさそうなんですが、この水不足というのは、世界的な規模でそのうち訪れる可能性があることは、ずいぶんと前から言われています。

以下は、2016年の記事で、ウィキリークスによってリリースされた機密文書に「 2050年までに世界の広範囲が極端な水不足に陥る」という可能性を示した文書をご紹介しています。

あと25年で「30億人分の水が足りない」状況になることを報告したウィキリークスがリリースした機密文書 : 原因は世界中で進行し続ける過度な肉食
In Deep 2016年5月9日

この記事から 10年ほど経っていますが、少なくとも日本では、過度な水不足はあまり伝わることはないですけれど、今年のような世界的にやや異常な高温が記録されている状況だと、場合によっては、地域的に、深刻な水不足は起こるかもしれません。

日本もそうです。

日本は水が豊富な国ですが、今間のような気候の状況が、何年も続いていけば、そのうち水そのものが貴重になるときも来るのかもしれません。

今回ご紹介する記事は、米マサチューセッツ工科大学の研究者たちが、

「乾燥した地域でも大気中から水を作り出すことができる装置」

についてのものですけれど、日本でもこういう研究があればいいのですけれどもね。

変なディストピア的な研究はもういいですので、人間が生き残っていけるためのテクノロジーが重要な時代になっている気がします。

ここから記事です。





MITのハイテク「バブルラップ」が、デスバレーでも空気を安全な飲料水に変える

MIT's high-tech 'bubble wrap' turns air into safe drinking water — even in Death Valley
livescience.com 2025/06/29

MIT (マサチューセッツ工科大学)の研究者たちは、北米で最も乾燥した砂漠であるデスバレーでも空気中から直接安全な飲料水を採取できるハイテクな「バブルラップ」を開発した。

この新しい集水装置は、世界中の人々に安全で入手可能な飲料水を供給するための大きな一歩であり、空気中に水蒸気が存在する場所であればどこでも機能すると、6月11日にネイチャーウォーター誌に掲載された新しい研究で科学者たちは述べている。

この集水器は、窓のように 2層のガラスの間に挟まれたハイドロゲル(吸水性に優れた素材)で作られている。

夜間、この装置は大気中の水蒸気を吸収する。日中は、ガラスを冷たく保つコーティングのおかげで、水はガラス上で結露する。そして、この液体の水はガラスを伝って滴り落ち、チューブシステムに集められる。

ハイドロゲルは特殊な形状に成形され、気泡緩衝材のようなドーム状の構造をしており、水蒸気を吸収すると膨らむ。このドーム構造により素材の表面積が増大し、保持できる水分量が増加する。

研究者たちは、カリフォルニア州とネバダ州にまたがる独特の砂漠地帯であるデスバレーで、この新型装置を 1週間テストした。デスバレーは世界で最も暑い場所であり、北米で最も乾燥した場所でもある。

この装置は 1日あたり約 4分の1~ 3分の2カップ(57~161.5ミリリットル)の水を生成した。

湿度の高い地域では、この装置はさらに多くの水を生成できるはずだ。この設計は、空気から飲料水を採取するこれまでの試みよりもはるかに効果的であり、しかも電力を必要とせずに実現できると、MITの代表者は声明で述べた。

研究者たちは、ハイドロゲル設計を用いて採取した水質に関する長年の課題も解決した。吸水性を高めるためにハイドロゲルに添加されるリチウム塩は、通常、同様の設計では水中に漏れ出し、そのままでは飲用に適さない水になってしまう。

この新しい設計にはグリセロールと呼ばれる塩安定剤が含まれており、漏れ出し量を 0.06ppm未満に抑える。これは、アメリカ地質調査所が推定した、地下水中のリチウム塩の許容濃度で、地下水に対して安全とみなすレベルだ。

1枚のパネルでは世帯全体に供給できるほどの水を生産できないかもしれないが、設置スペースをあまり取らないため、1世帯に複数のパネルを設置することが可能だ。

研究者たちは、1メートル× 2メートルのパネルを 8枚使用すれば、安全な飲料水へのアクセスが容易でない地域でも、あらゆる世帯に水を供給できると試算している。米国のボトル入り飲料水の価格と比較すると、この装置は 1ヶ月以内に投資を回収でき、少なくとも 1年間は使用できる可能性がある。







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