ここ数年は、動物の感染症、しかも人間と比較的近い関係にある動物たちの感染症が拡大していまして、そのたびに、大量殺処分ということになりやすいのですが、2019年には、中国でアフリカ豚コレラ(今はアフリカ豚熱)により「 1億頭の豚が殺処分された」ことがありました。
(記事)中国でのアフリカ豚コレラによる殺処分頭数が「1億頭」を超える
地球の記録 2019年9月10日
これなどは食用ということになっていますが、切なかったのは、コロナ時代の「ミンクの大虐殺」ですね。
デンマーク政府が、ミンクがコロナに感染しているとして、
「 1100万頭のミンクを殺処分した」
ことが思い出されます。
(記事)狂気…:デンマークで1100万頭のミンクの殺処分が完了。農場ではコロナに感染した猫も殺されている模様
地球の記録 2020年12月1日
これはもう、まったく無意味な単なる虐殺だったわけですけれど、本当にこの数年は、鳥インフルエンザのニワトリなどにしても、過去にはないような動物たちへの大量殺処分が繰りかえされています。
状況によっては、仕方のない曲面もあるのかもしれないですが、感染症の流行の際には何でもかんでも殺処分ですから。
今、ギリシャで、「ヤギペスト」と言われる小反芻動物疫病という病気が拡大しているようです。そして、やはりヤギやヒツジの殺処分が進んでいます。
報道を読む限りでは、「なぜか」同じ農場のニワトリまで殺処分されているようなのですけれど、理由はわかりません。農林水産省によれば、小反芻動物疫病に感染するのは、ヒツジとヤギ、そしてシカだけです。
今後、こういう動物の疾患もますます増えていくような雰囲気につつまれていますが、ギリシャの報道をご紹介します。
ギリシャ当局、「ヤギペスト」対策で制限を課す
Greece imposes restrictions to tackle 'goat plague'
BBC 2024/07/30
ギリシャは、「ヤギペスト」として知られる非常に伝染力の高い感染症を封じ込めるため、国内でのヒツジとヤギの輸送を禁止した。
「繁殖、肥育、屠殺を目的としたヒツジやヤギの移動はギリシャ全土で禁止されている」と農業省は発表した。
新たな感染例は中部ラリッサ地方と南部コリントスで確認されたという。
このウイルスは、小反芻動物疫病(PPR)としても知られ、感染した動物の 80%から 100%を死に至らしめる可能性がある。人間には影響しない。
ギリシャ農業省は 7月29日の声明で、この禁止措置は「病気の蔓延を抑制し、根絶する目的で」導入されたと述べた。
畜産農家、チーズ製造業者、食肉処理場経営者、飼料供給業者には新たな規制について通知されているという。
同省は、感染源を特定するための調査が進行中であるとしたが、海外からの「疑わしい流入」の可能性も否定していない。
ギリシャはEUおよびEU加盟国の獣医サービスとも連携している。
EUの規則では、小反芻動物疫病の症例が確認されると、すべての鶏を殺処分し、影響を受けた農場を消毒しなければならないと規定されている。 (コメント / なぜ鶏を殺処分?)
ギリシャでは7月11日にこの病気が初めて発生して以来、すでに少なくとも 7,000頭の動物が殺処分されている。
ギリシャはヨーロッパで最も多くのヤギを飼育している。ヤギとヒツジのミルクは、ギリシャの代表的な製品であるフェタチーズの製造に使われている。
小反芻動物疫病 は 1942年にコートジボワールで初めて報告され、その後世界中に広がった。