統計サイトのスタティスタが、米政府の「薬物乱用・精神保健管理局」のデータをグラフ化しており、それによると、2023年には、
「 10代のアメリカの若者の約 5人に 1人がうつ病を経験していた」
ことが示されていました。
2006年から2023年までの米国の10代のうつ病経験者の推移
statista.com
2023年は、18.1%となっていまして、最も高かった 2021年の 20.1%よりは下がっているものの、10年以上前などと比べると、3倍以上増えているという一種の異常事態となっています。
なお、10代という括りではなく、全世代においては、2023年に、うつ病経験者が過去最多となっています。
2015-2023年までの米国のうつ病率の推移(全世代)
statista.com
約 3人に 1人がうつ病を経験しているという状況です。ただ、10代の増加率が急激であるということから、問題視されているようです。
これらのデータからは、10代もすべての世代もどちらも、
「 2021年に急に増加した」
ことが見てとれます。
理由はいろいろでしょうけれど、たとえば、ひとつの考察として、スパイクタンパク質が「ヒトヘルペスウイルス6型(HHV-6)を再活性化させる」ことも関係しているかもしれません。
その HHV-6 が、うつ病を誘発することも今では日本の研究で明らかになっています。
(参考記事)数年後の社会 : 双極性障害、大うつ病性障害、統合失調症、アルツハイマー病… HHV-6の再活性化が及ぼす広い影響に戸惑うばかり
In Deep 2021年9月16日
あと、たとえば、「新型コロナワクチン後遺症 患者の会」というウェブサイトがあるのですが、ワクチンによる後遺症とみられる中で「医師から受けた診断名」で最も多いのが「うつ病」となっています。
新型コロナワクチン後遺症 患者の会のウェブサイトより
vaccinesosjapan.wixsite.com
このウェブサイトでは、脳出血やベル麻痺は、それぞれ事例が「1」となっていますので、うつ病の発生率がとても高いことがわかります。
まあしかし、HHV-6 のことを別としても、さまざまな後遺症に悩んでいる中で、うつ的な精神状態になってしまうことは十分に理解できます。
ともかく、アメリカでは 10代の若者たちのうつ病が 2021年以来急増しており、日本でもその傾向は見られているのかもしれません。韓国でも、2021年からうつ病が急増しています。
ここから、スタティスタの記事をご紹介します。
この記事では、若者のうつ病の増加の原因はソーシャルメディアにあるのではないかという主張を取り上げています。
2023年に米国の10代の若者のほぼ5人に1人がうつ病を経験
Nearly One in Five U.S. Teens Experienced Depression in 2023
statista.com 2024/12/02
米国政府が10代の若者のソーシャルメディアへのアクセスを制限しようとしている理由の一つは、 それが精神衛生に悪影響を及ぼすのではないかという懸念からだ。
この問題は、ニューヨーク大学の社会心理学者ジョナサン・ハイト氏による新著『不安な世代』の出版によって再燃している。ハイト氏は、精神衛生上の疾患の増加とソーシャルネットワークやスマートフォンの普及を直接結び付けている。
ハイト氏は、ソーシャルメディアやスマートフォンが、いくつかの国で見られるメンタルヘルスの流行の唯一の原因ではないと書いているが、こうしたテクノロジーが、現実世界で友達と遊ぶ時間を減らし、睡眠時間を奪い、自尊心を蝕むことで、子どもたちの健全な発達を妨げていると指摘している。
ソーシャルメディアを使用していない子どもたちでさえ、社会生活にもたらされた変化のせいで苦しんでいると彼は主張している。しかし、批評家たちは、相関関係は因果関係と同じではなく、データは全体像を示していないと述べている。
グラフ(冒頭のグラフです)が示すように、過去 1年間にうつ病を経験した米国の 12〜 17歳の割合は、2006年の 7.9%から 2023年には 18.1%に上昇している。
この数字は、 2021年のパンデミックのピークである 20.1%からは下がっているが、それでも 2019年と 2020年の数字を上回っている。
これは、米国薬物乱用・精神保健管理局のデータによるものだ。この情報源では、回答者がほぼ毎日、一日の大半にわたって憂鬱を感じたり、日常の活動への興味や喜びを失ったりした期間が 2週間以上少なくとも 1回あった場合、過去 12か月間に大うつ病エピソードがあったと分類している。
うつ病の症状には、睡眠、食事、エネルギー、集中力、自尊心の問題、または死についての考えが繰り返されたり、自殺念慮が繰り返されたりすることが含まれる。
2023年に重度のうつ病エピソードを報告した 10代の若者の割合は、多民族からなる人種(24.4%)の回答者の間で特に高く、次いで白人(19.6%)、アジア人(13.7%)、黒人(13.3%)の順であった。ハワイ先住民やその他の太平洋諸島民の若者たちに関しては、計算するにはデータが不十分だった。