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「アメリカ人はH5N1インフルエンザウイルスに対する免疫がまったくないため、人口の大半が感染する可能性がある」というCDCの研究

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最近、In Deep などで、鳥インフルエンザについての記事を書くことが何度かありました。

元CDC所長の「鳥インフルエンザの機能獲得研究が大パンデミックを引き起こす可能性についての警告」にある一部の欺瞞と一部の真実
In Deep 2024年5月19日

次のパンデミックが「致死率50%」などになるなら、本来は全然恐ろしい流行ではないのですが、今が「106年前と同じ免疫状態なら」状況は深刻かも
In Deep 2024年6月17日

アメリカでは、「次の危機」として、この鳥インフルエンザのヒトへの感染についての報道が、やや煽り気味に繰り返されているのですけれど、同時に、「鳥インフルエンザワクチン」の準備も着々と進行しています。

EU は、すでに 4000万回分の鳥インフルエンザワクチンを確保したと発表しており、着々と鳥インフルエンザワクチンの大量供給体制が整いつつあります。あるいは、モデルナ社の株価も、鳥インフルエンザワクチン期待から、過去 6ヵ月で 50%もの上昇を見せていたりしています。

そんな中で、米ミネソタ大学の感染症研究政策センター(CIDRAP)が、CDC の研究で、

「アメリカ人には、H5N1型鳥インフルエンザウイルスに対する免疫がない」

ことがわかったとする研究結果に関してのニュースリリースを出していました。

ですので、

> H5N1 ウイルスが人の間でより容易に感染する形態に変化した場合、人口の大半が感染する可能性がある

ということから、感染予防にはワクチンで免疫を獲得するしかない、という理屈です。

このニュースリリースの内容にも鳥インフルエンザワクチンについてのことが大きく書かれているものですが、まあ…「抗原原罪」という概念は、もともとインフルエンザにおいて見出されたものでもあり、それがどんなタイプのインフルエンザウイルスであっても、適用されるものではないのかなと思わないでもないです。そもそも、ワクチン展開される頃には、すでに鳥インフルエンザウイルスは激しく変異していることは確定的です。それに対してはどうにもならない。

以下は、日経バイオテクの記事からです。

抗原原罪とは

従来株のウイルスに対して免疫が獲得された後に変異株のウイルスに感染した場合に、従来株に対する免疫が変異株に対する新たな免疫の誘導を邪魔する現象のこと。主にインフルエンザワクチンの接種時に懸念される。人間が生涯背負う罪(原罪)を語源とする。

bio.nikkeibp.co.jp

コロナの時からずっとそうですが、免疫の原則と感染予防の基本を逸脱しっぱなしの対策が鳥インフルエンザでも行われそうです。

インフルエンザのパンデミックについてのワクチンの影響については、こちらの記事に書きました「 1918年のパンデミックの際の状況」などをご参考いただければと思います。

 

現在、アメリカの乳牛の間での鳥インフルエンザの感染の拡大が相次いで報告されていますが、それが真実にしろ、そうでないにしろ、ヒトへのワクチン接種により集団の免疫獲得がなされるという考え方には疑問を感じざるを得ません。

それでも、この鳥インフルエンザ恐怖の報道とワクチン推奨の状況は、さらに進んでいくのだとも思われます。

以下、ミネソタ大学の感染症研究政策センターのリリースです。




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研究により、アメリカ人はH5N1型鳥インフルエンザウイルスに対する免疫がほとんどないか、まったくないことが判明

Studies find little to no immunity to H5N1 avian flu virus in Americans
CIDRAP 2024/06/18

アメリカ疾病対策センター(CDC)が現在行っている検査の予備的調査結果によると、アメリカ国民は酪農場や養鶏場で蔓延している H5N1 型鳥インフルエンザウイルスに対する既存の免疫をほとんど、あるいはまったく持っていないことがわかった。

その他の状況としては、乳牛群での発生が着実に報告され続けているほか、家禽群でも散発的に検出されている。

 

以前の血液サンプルの抗体検査

CDCは、2021~ 22年と 2022~ 23年の過去 2回のインフルエンザ流行期に米国の全 10地域の人々から採取した血液に基づいて血清学的調査結果を出した。

科学者たちは、抗体反応があるかどうかを調べるため、血液サンプルに H5N1 ウイルスを注入した。

その結果、季節性インフルエンザの予防接種を受けた人も受けていない人も共に抗体レベルは低く、既存の免疫がほとんどないか、まったくないことが示唆され、H5N1 ウイルスが人の間でより容易に感染する形態に変化した場合、人口の大半が感染する可能性があることが判明した。

「 H5N1ウイルスはヒトの間では広く蔓延しておらず、現在および最近流行しているヒト季節性インフルエンザAウイルスとは非常に異なるため、この発見は予想外ではない」と CDC は研究結果について述べ、その内容を対応活動の定期更新に含めた。

一般市民へのリスクは依然として低く、酪農場での発生に関連して、これまでに報告された人への感染は 3件のみだ。いずれも牛と密接に働いていた人々だった。

連邦保健当局は 5月下旬、 CSLセキラス社とワクチン契約を結び、 H5ウイルス候補 2種のうち 1種を 480万回分に相当する量で大量に供給する契約を結んだ。CDCは、このワクチンが流行中の H5N1 株とよく一致すると述べている。

世界的に、2.3.4.4b系統ウイルスの主な脅威は、感染した動物に接触した人々にあるようだ。関連して、フィンランド保健省は先週、 家禽や毛皮農場の労働者、獣医師など、ウイルスに接触する可能性のある人々に鳥インフルエンザワクチンを提供すると発表した。(※ 参考報道

ワクチンは、セキラス UK 社が開発した。

 

乳牛の集団感染が100件を超える。ウイルス感染家禽が増加

アメリカ農務省 動植物検疫検査局(APHIS)は、 乳牛群で新たに 6件の H5N1 型ウイルスの発生を確認した。これにより、米国内の発生件数は合計 102件となった。最新の確認では、コロラド州の 5件の農場とアイオワ州の 1件の農場で発生した。

また、アイオワ州農業土地管理局は、2つの別々の声明で、 州の北西部にあるスー郡で 2件、 プリマス郡で 1件、合計 3件の乳牛の群れでの発生を報告した。

一方、ミネソタ州では、商業用家禽における新たな感染発生が報告されており、 APHISによると、州中央部のスターンズ郡にある 33,100羽の七面鳥を飼育する農場が関与しているという。

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