グロズヌイでの10月12日の爆発の様子。zerohedge.com
昨年以来、ロシアで相次ぐ実行者不明の大爆発
10月12日に、ロシアのチェチェン共和国で首都グロズヌイで大規模な爆発が発生し、子ども 2人を含む 4人が死亡したと報じられています。この爆発の様子は、複数の人たちによって撮影されていますが、かなり大規模なものでした。
More footage of the explosion at a fuel station in Grozny
Chechnya | Russia
October 12, 2024#explosion #Russian #Grozny #Chechnyapic.twitter.com/v1O31fCLJD— DISASTER TRACKER (@DisasterTrackHQ) October 12, 2024
ロシア当局は、「何らかの攻撃」であることも示唆しているようですが、ロシアでは、昨年以来、複数のガソリンスタンドの爆発事案が発生していて、ロイター通信によると、今回のチェチェンの隣国のダゲスタン共和国で、2023年8月にガソリンスタンドでの爆発が発生し 35人が死亡し、 2024年9月にも爆発が発生して 13人が亡くなっています。
しかし、仮に攻撃だとして「誰が?」というと非常に微妙な話であり、たとえば、チェチェン共和国は以下の場所にあり、ウクライナからは非常に遠く、ウクライナの関与は微妙な感じです。
なお、ロシアでは、ウクライナとの戦争以外に「イスラム過激派によるテロ攻撃」も続いており、今年 3月には、モスクワのコンサート会場で、機関銃による無差別乱射テロにより 60人以上が死亡したという事件がありましたが、この際には、過激派組織「イスラム国」が犯行声明を出しています。
また、2024年6月には、ロシアのダゲスタン共和国でユダヤ教の教会とキリスト正教会が襲撃され、司祭が殺害されています。これも推測として、イスラム過激派によるテロ攻撃であると報じられていました。
今回爆発のあったチェチェン共和国はイスラム教徒の多い国で、以下のような複雑な政治状況にある地域でもあります。
ニューズウィークより
チェチェンは、1990年代と 2000年代に チェチェンの分離主義者とイスラム原理主義者が関与した 2度の壊滅的な戦争の後、ロシア政府によって任命された親ロシア派の独裁者ラムザン・カディロフによって主に統治されている。
ここ数カ月、ロシアのインフラと軍事施設はウクライナのドローンによって繰り返し攻撃されているが、10月12日の爆発の原因は不明だ。
ロシアもいろいろと複雑な状況に巻き込まれていますが、次第に一般人の被害も拡大してきています。
以下、チェチェンでの爆発についての報道です。
ロシアのイスラム教徒が多数を占める共和国で発生した大規模な爆発は破壊行為の疑い
Sabotage Suspected In Huge Deadly Blast In Russian Muslim-Majority Republic
zerohedge.com 2024/10/13
10月12日、チェチェン共和国の首都グロズヌイで、破壊行為、あるいは事故によるものと思われる大規模な爆発が発生した。
地元当局によると、ガソリンスタンドの燃料タンクが爆発し、大爆発と火災が発生し、子供 2人を含む通行人 4人が死亡したとロシア地域の緊急当局が確認した。
このガソリンスタンドは大学の近くにあると報じられている。
当局の声明は、これが攻撃か、あるいは重大な過失のいずれかであると考えていることを示唆している。
チェチェンの指導者ラムザン・カディロフ氏はテレグラムで、この状況を自らが掌握していると述べた。同氏は「爆発の責任者は裁判にかけられるだろう」と述べたが、それ以上の詳細は明らかにしなかった。
ロイター通信が伝えているように、この地域では最近、他にも「謎の」爆発が起きている。2024年9月と 2023年8月に隣国のダゲスタン共和国のガソリンスタンドで爆発が起き、それぞれ 13人と 35人が死亡した。
チェチェンはコーカサス地方のはるか遠く、ジョージア(※ 以前のグルジア)の隣に位置するため、ウクライナでの戦闘からは程遠いが、チェチェン軍はウクライナの前線沿いのロシア軍の中で非常に活発に活動している。
戦争の状況を考えると、爆発は、戦争以来、ロシア本土で起きているような、ウクライナと関係のある何らかの破壊工作の可能性に疑いが向けられる可能性が高い。
しかし、チェチェンの指導者と近隣諸国の間には長い間大きな緊張関係があり、この事件はこの内部抗争と何らかの関係がある可能性もある。
ガソリンスタンドの爆発現場の映像には、破片を四方八方に飛ばした巨大な火の玉が映っている。
GROZNY pic.twitter.com/3bNEU9IQtW
— The_Real_Fly (@The_Real_Fly) October 12, 2024
ニューーズウィークは、最近の状況について次のように伝えている。
チェチェンは、1990年代と 2000年代にチェチェンの分離主義者とイスラム原理主義者が関与した2度の壊滅的な戦争の後、クレムリンによって任命された親ロシア派の独裁者ラムザン・カディロフによって主に統治されている。
...イスラム教徒が多数を占めるチェチェンを含むロシアの不安定なコーカサス地方では緊張が高まっており、カディロフ外相は今週、自身の暗殺計画に関与したとして、隣国のダゲスタン共和国とイングーシ共和国のロシア議員たちに対し「血の抗争」を宣言すると警告した。
この致命的な爆発の原因について、公式な説明はまだ出ていない。確かに、ウクライナのドローンが黒海地域からグロズヌイまで到達した可能性は低く、今回の事件はコーカサス地方の地域政治と関連していると思われる。