異常気象 自然災害

日本で前代未聞の山火事が拡大する中、米サウスカロライナ州などで大規模な火災が発生。どちらも原因は「異常な乾燥」

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3月1日のサウスカロライナ州の火災の様子

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世界各地で大規模山林火災が続発

日本では各地で大規模な山火事が発生しています。いろいろな場所で発生していて(岩手県大船渡市長野県上田市山梨県大月市など)、それぞれの詳しい状況がよくわからないですが、最も大規模なものは岩手県大船渡市の火災のようです。

テレビ報道などを見ないですので、全体的な状況がよくわからないのですが、むしろ海外の報道が、この火災の重大性について簡単に伝えていますので、ひとつご紹介します。

ドイツ DW 紙の報道です。

日本は数十年で最悪の山火事と闘っている

Japan fights worst wildfire in decades
DW 2025/03/01

日本で30年以上ぶりに発生した最大規模の山火事が、日本北部で猛威を振るい続けている。この火災で少なくとも 1人が死亡したと報じられている。

日本の北部、岩手県で発生した山火事により、1000人以上が避難を余儀なくされ、少なくとも 1人が死亡した。3月1日には全国から約 2500人の消防士がヘリコプター 17機の支援を受け、消火活動に当たった。

消防庁の広報担当者は AFP 通信に対し、火災は大船渡市の森林の約 1,400ヘクタールに広がったと推定され、1992年に北海道釧路市で発生した山火事以来、日本で最大の焼失面積となったと語った。

この岩手の火災について何がわかっているのか

報道によると、東京都心から約 500キロ離れた大船渡市の当局は、 2月26日の火災発生以来、約 4,600人に対し、安全な場所に避難するよう指示したという。

市当局によると、2月28日時点で近隣住民 1,000人以上が避難し、80棟以上の建物が被害を受けた。

この火災により、大船渡市と隣接する三陸村の 700世帯以上で停電が発生した。

両駅を結ぶ列車の運行は終日運休となっている。

異常な乾燥

大船渡市は異常なほどの乾燥状態に陥っており、2月に降った雨量はわずか 2.5ミリだ。

2月のこれまでの最低記録は 1967年の 4.4ミリメートルだった。

3月1日には山梨県と岩手県の別の場所でさらに2件の火災が発生した。

このような「異常な乾燥」による山火事は、わりと世界全体に広がっていまして、2月には南米の多くで複数の山林火災が発生しており、特にアルゼンチンは、ほぼ全土で火災が発生したと報じられていました。

アルゼンチン全土で山火事が発生。原因は「人為的要因」
 BDW 2025年2月22日

そして、アメリカでも、現在、ノースカロライナ州やサウスカロライナ州などで大規模な山林火災が発生したことが報じられています。

このアメリカの山林火災も異常な乾燥によるものだと報じられていますが、アメリカ国立合同消防センターは 2月の時点で、複数の州に「大規模な火災が発生する可能性が高い」と警告していました。

以下は、国立合同消防センターの 2月の時点の火災の発生可能性が高いエリアを示したものです。赤がそのエリアです。

火災発生の可能性の高いエリア

nifc.gov

これらの地域は、この冬、異常な小雨と乾燥に見舞われていて、山火事発生の可能性が極めて高くなっていると発表されていました。

そして、ノースカロライナ州とサウスカロライナ州で 3月1日に実際に大規模な山火事が発生してしまったようです。

あるいは、他の上の赤いエリアでも、かなり火災発生の可能性が高まっているとみられます。

アメリカの山火事というと、今年 1月のカリフォルニア州の火災が印象に残っていますが、現在、火災が起きているノースカロライナ州やサウスカロライナ州は、昨年 9月のハリケーン・ヘレンで深刻な洪水被害を受けた地域でもあります。

アメリカの現在の山火事についてのニューヨークタイムズ紙の報道をご紹介します。





カロライナで山火事が発生、当局は避難を促す

Wildfires Break Out in the Carolinas, Prompting Evacuations
NY Times 2025/03/01

突風と乾燥した気候によりノースカロライナ州とサウスカロライナ州で 3月1日に山火事が発生し、当局は複数の地域で避難命令を出した。

この火災は、アメリカ南東部の大部分が、火災の危険性が高いことを示す国立気象局の警報である赤旗警報が出されていたときに発生した。

これらの警報のほとんどは 3月1日の夜遅くに終了し、風が弱まるにつれて火災の危険性は夜間に減少すると予想されていた。

3月1日の午後、ノースカロライナ州アッシュビルの南約 40マイルにあるブルーリッジ山脈の小さなコミュニティであるトライオンとサルーダで山火事が発生の危機に瀕していた。

ポーク郡当局は、避難命令が出されたトライオンのメドーラーク・ドライブで火災が発生しており、複数の消防署が対応中だと述べた。トライオンの人口は約 1,500人、サルダの人口は 1,000人未満。

同郡はソーシャルメディア上で、トライオンの山火事が急速に広がっていると述べた。

サウスカロライナ州沿岸の山火事は、サウスカロライナ州森林委員会によると、土曜の夜早い時点で 75%鎮火した。

「消防隊は引き続き火災の封じ込めに努めています」と、消火活動を主導するホリー郡消防救助隊は土曜日の夕方、ソーシャルメディアで述べた。

カロライナ・フォレストのいくつかの地区は避難命令が出されている。

また、サウスカロライナ州シックスマイル近郊でも火災が発生した。同郡当局は数本の道路沿いに避難勧告を出していたが、土曜日の夕方時点で避難命令は出されていない。

突風、乾燥した空気、そして午後の気温が華氏 70度台(21℃)前半まで上昇したことが、火災の急速な拡大を助長した。

もう一つの要因は、サウスカロライナ州では 2月に異常に降雨量が少なく、植生が乾燥していることだ。

例えば、マートルビーチでは 1月1日以降、2.30インチの降雨量を記録しているが、これはこの時期の通常の降雨量 6.30インチに比べて少ない。ノースカロライナ州は先月やや雨が多かったが、こちらも降雨量は平均以下だった。







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