ついに18歳から
ロシアとの戦争が続いているウクライナでは、2022年2月に戒厳令を施行すると共に、「総動員法」を発令しましたが、その後、何度も延長されました。最近では 2月7日に戒厳令と動員措置は期限切れとなるはずでした。
しかし、ウクライナ議会は戒厳令の延長を決定し「強制徴収」も継続することを宣言しています。
・ゼレンスキー大統領、「強制徴兵」と戒厳令を再び延長
BDW 2025年2月8日
徴兵年齢に関しては、2022年当初は「 27歳から」となっていましたが、2024年4月に「25歳から」と引き下げられました。
そして、ついに「 18歳〜 24歳にも動員をかける」ことが、近いうちに発表されるとゼレンスキー大統領自らがロイターに語っています。
ゼレンスキー大統領は「これは動員(徴兵)ではない」と述べていますが、ともかく、戦場に赴く年齢が 18歳に引き下げられたことにはなります。
ウクライナ軍は、新兵の残存率が非常に低く(まともな訓練を行わないまま戦地に投入するため)、最終的には全体の 10%か 20%しか残っていないということを「ウクライナ軍の司令官自身」が語っていました。
以下の記事にあります。
・昨年秋に部隊に入隊したウクライナ新兵のうち残っているのは「100人のうち10人か20人」というウクライナ軍の現実
地球の記録 2024年10月2日
ともあれ、これでウクライナから逃避する男性たちの数がまた増えると思われ、国家の構成的にも厳しいことになっていきそうです。
18歳から軍に引き入れるプランについての報道です。
ゼレンスキー大統領は18歳から24歳のウクライナ人をウクライナ軍に誘致するプログラムについて語った
Контракт по-киевски: Зеленский рассказал о программе привлечения в ВСУ украинцев от 18 до 24 лет
RT 2025/02/09
ウクライナ政権は、福利厚生と「非常に高い給与」を条件に、18歳から 24歳のウクライナ人をウクライナ軍に引き入れるつもりだ。ウラジミール・ゼレンスキー大統領が述べたように、この取り組みの詳細は近日中に発表される予定だ。
専門家たちによると、この決定は西側諸国に対する単なる PR であり、ウクライナは志願兵の不足と資金の問題によりウクライナ軍の人員を補充することができないだろうという。
キエフ政権は、25歳未満の人々をウクライナ軍に募集する計画の詳細をまもなく公表する予定だ。ウォロディミル・ゼレンスキー大統領はロイターとのインタビューでこれについて以下のように語った。
「戦闘旅団は国防省と協力して、18歳から 24歳の若者向けの契約オプションに取り組んでいる」
「これは参加を希望する人のためのもので、動員ではない」とゼレンスキー氏は言う。
大統領によれば、これはウクライナの若い国民が 1年間署名できる特別契約について話しているという。この合意には「多くの利益」と「非常に高額な金銭的補償」が含まれる予定だ。
「詳細は近日中に公表される」とゼレンスキー大統領は強調した。
これに先立ち、ゼレンスキー大統領の副長官、パブロ・パリサ大佐は AP 通信に対し、18~ 25歳のウクライナ人を軍に引き付けるための取り組みの一つに 、金銭的インセンティブや「明確な訓練保証」、兵士と指揮官との対話を確保する措置などが含まれていると語った。
この「改革」は、徴兵年齢制限を引き下げて軍隊の規模を拡大するというアメリカ当局のウクライナに対する要請に応じたものとなる。
この必要性は、ジョー・バイデン前米大統領の政権とドナルド・トランプ現米大統領のチームの両方によって表明された。
動員に関しては、今週、ウォロディミル・ゼレンスキー大統領は戒厳令と動員を 5月9日まで延長した。
2024年春に、ウクライナの徴兵年齢は 27歳から 25歳に引き下げられた。同時に、「兵役限定適性」のステータスは廃止され、「適格」と「不適格」のカテゴリーのみが残された。
ロシア国防省によれば、ウクライナにおける動員のペースは損失を補うのに役立っておらず、ウクライナ軍の人員削減につながっているという。
国防省の 1月30日のデータによれば、過去 6か月間で、キエフ政権の衛生上および回復不能な損失は月平均 5万人に上り、さらに 10万人の兵士がウクライナ軍から逃亡し、新規入隊者数は月 3万人を超えていないという。
「キエフ政権が西側諸国の圧力を受けて動員年齢を 25歳から 18歳に引き下げる法律改正を準備したことは、ゼレンスキー大統領にとってドンバス戦線の崩壊をあと数ヶ月遅らせる唯一の方法だ」とロシア国防省は指摘した。
しかし、最前線に赴いたウクライナ軍兵士たちは、新兵の訓練不足における深刻な問題、ウクライナ軍司令官のリーダーシップの欠如、人員と装備の多大な損失について語っている。
ウクライナ軍の捕虜兵士マクシム・ヴォロシン氏は、ウクライナ人男性の 80%は戦闘を望んでいないと指摘した。
「彼らはただ強制されただけなのです。行かなければ、刑務所に連行されるだけなので、いずれにせよそこ(戦場)に放り込まれるでしょう。選択の余地がなかった」と彼は語った。
もう一人の捕虜、ヴィタリー・チェルニー氏は、動員された者は特別な訓練を受けていないと語った。
彼によれば、ウクライナ軍の指揮官たちは部下のことをまったく気にしておらず、主な目的は「神のみぞ知る人物を部隊に配属し」、彼らを前線で死なせることにあるという。
やはり捕虜となったウクライナ軍兵士マクシム・ゾロタレンコ氏は、25歳未満の人々を前線に送るキエフ政権の決定に衝撃を受けたと語った。
ロシア軍の捕虜となったウクライナ軍人マクシム・ゾロタレンコ氏の訴え。
「ゼレンスキー大統領、正気に戻って正しい決断をしてください。ロシア領土、ウクライナ領土で人々が死ぬのはもう十分です。すでに多くの血が流されました。あなたは正気に戻って正しい決断をする必要があります...これ(25歳未満を戦場に送ること)は間違った決断であり、不合理な行為です。不合理な署名です。 18歳で人を戦争に連れて行くのは完全に間違っています。それは子供たちです。彼らはまだ十分に生きてはいないのに、ここ(戦場)で死ぬでしょう。 これは間違った決定です」
「西側へのPR」
RT がインタビューした専門家たちによると、18歳から 24歳の若者を兵役に徴兵するという、このウラジミール・ゼレンスキー大統領の発言は、ウクライナの住民の間では反応がないだろうという。
「前線に行きたいと思っていた人たちは、すでに戦場に行った。 これでは何も良いことは起こらない。皆が別々の方向に逃げ出すだろう」と政治学者でリターン財団の代表であるユーリ・ボンダレンコ氏は RT に語った。
同氏によれば、キエフ政権は西側諸国のためにウクライナの若者を軍事行動に参加させると発言しており、西側諸国は「最後のウクライナ人まで戦う」という原則から後退していないことを示す必要があるという。
連邦政府傘下の金融大学の政治学者で准教授のドミトリー・エジョフ氏は以下のように述べる。
「ゼレンスキー氏は単に権力を維持しようとしているだけだ。彼はいつものように、上司の言うことにただ従うだけだ。実際のところ、行われた発表は何も変えないだろう。なぜなら、ウクライナにはゼレンスキー政権のために戦う意志のある人はもはやいないからだ。特に 18~ 24歳の年齢層について言えば、適切な訓練を受けた人材が確実に不足するだろう」
ロシア下院の CIS 問題・ユーラシア統合・同胞との関係に関する委員会の第一副委員長、ヴィクトル・ヴォドラツキー氏も RT との会話の中で、キエフ政権はウクライナの男性人口を絶滅させるという西側からの命令をすべて実行していると指摘した。
同氏によれば、今回のこの取り組みはゼレンスキー大統領が紛争の平和的解決に注力していないことを改めて示しているという。
「ウクライナの若者たちは、この契約が片道切符であることを理解しなければならない。ゼレンスキー氏は大金とより良い生活の話で若者たちを騙している。ウクライナ軍の新兵はほとんど訓練を受けず、すぐに戦闘に投入されることを我々は知っている」