ブラジルのアマゾン川北東端にあるブリティクプ市という場所で、巨大なシンクホール(陥没穴)が発生し、非常事態宣言が発令されたことが報じられています。
以下の動画を見ますと、その巨大ぶりがわかります。
A city in the Brazilian Amazon has declared a state of emergency after massive sinkholes opened up, threatening thousands of homes. pic.twitter.com/mrsWZNnp3x
— AccuWeather (@accuweather) February 24, 2025
このブログでも、以前は、シンクホールの記事をたびたび載せることがありましたが、最近は、それほど大規模なシンクホールが起きたことはなく、このような大規模なものは久しぶりのように思います。
ブラジルでは、中部で 2017年にもかなり大きなシンクホールが発生したことがありました。
以下の写真で、右上の人たちの大きさと比較すると、その大きさがわかります。
2017年11月にブラジル中部に現れたシンクホール
earthreview.net
しかし、今回のシンクホール…というより土壌崩壊の大きさは、これと比較できないほど巨大である上に「住宅地で発生した」ということがあり、影響が大きなものとなっているようです。
このシンクホールは今後も拡大する可能性が強いとのことです。
米ロイターの報道をご紹介します。
巨大な陥没穴によりアマゾンの町の数百人が危険にさらされる
Massive sinkholes put hundreds in Amazonian town at risk
Reuters 2025/02/22
ブラジルのアマゾン川北東端にあるブリティクプ市は、ゆっくりと地中に飲み込まれつつある。
ここ数週間、数メートルの深さの巨大なシンクホール (陥没穴)が続いたため、市当局は非常事態を宣言した。
総人口 5万5000人のうち約 1200人が、広がる奈落の底に家が沈む危険にさらされている。
市当局は今月初め、陥没穴について「ここ数カ月で規模が急激に拡大し、住宅地にかなり近づいている」と緊急命令を出していた。
当局によれば、すでにいくつかの建物が破壊されたという。
最近のシンクホールは、マラニョン州ブリティクプの住民が過去 30年間にわたって見てきた問題の悪化であり、砂質で脆弱な土壌が雨によってゆっくりと浸食され、さらに計画性の低い建築工事と森林伐採も重なった結果だ。
大規模な土壌浸食はブラジルでは「voçoroca」として知られている。これは「地球を引き裂く」という意味の先住民語で、シンクホールに相当する。
マラニョン連邦大学の地理学者で教授のマルセリーノ・ファリアス氏は、今回のように大雨が降る時期にはこの問題はさらに悪化すると言う。
ブリティクプに 22年間住んでいるアントニア・ドス・アンジョスさんは、すぐにもっと多くの陥没穴ができるのではないかと心配している。
「この危険は私たちの目の前にあり、この穴が地下のどこに開いているのか誰も知らないのです」と 65歳の彼女は語った。
ブリティクプ市の公共事業長官でエンジニアのルーカス・コンセイサオ氏は、市当局には複雑な陥没穴の状況に対する解決策を見つける能力が明らかにないと述べた。
「問題は、浸食プロセスから危険地域にいる人々の避難まで多岐にわたります」と彼は述べた。