状況は悪化する見込み
ヨーロッパでは、この冬、各地で悪天候や暴風雪に見舞われる厳しい気象が続いてまして、先日も、「ヨーロッパの記録的な大雪による死者数が過去最大級に」という記事を投稿しました。
荒れた気象が続いた場合、海鳥や渡り鳥の大量死がたまに起きるわけですが、今、イギリスとフランス、スペイン、そしてポルトガルの海岸や海中でツノメドリという海鳥の大量死が発生していまして、その数が、まだ明確ではないものの、「 1万羽を超える大量死」となっているようです。しかも、専門家は「状況はさらに悪化する可能性がある」とも述べています。
このツノメドリは以下のような、かわいいといえばかわいい鳥です。
ツノメドリ
belfastlive.co.uk
この鳥は、世界的には絶滅危惧種ではないですが、アメリカのメイン州では、ツノメドリのエサである魚が育たなくなった(魚のエサである海中のプランクトンの数が過去最低になったため)ことにより、コロニーが崩壊しつつあり、メイン州では、ツノメドリは絶滅危惧種となっています。
今回のヨーロッパの大量死は、悪天候によりエサの魚が取れなくなったことによる餓死と報じられていますが、このメイン州の「プランクトンの減少」というのも、今後の世界を考えると、なかなか厄介な話だとは思います。何しろ、大西洋のプランクトンが「90%減少している」ことが、英国の調査でわかっているのです。
以下に In Deep の記事があります。
In Deep 2022年7月18日
ヨーロッパでの大量死について、BBC の報道です。
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嵐で何千羽ものツノメドリが餓死
Thousands of puffins starve to death during storms
BBC 2022/02/20
海上で冬を過ごすツノメドリは嵐のため餌を食べられなくなった。
野生生物保護団体によると、英国の南西海岸、チャンネル諸島、フランスの海岸に数千羽の海鳥の死骸が打ち上げられたという。
鳥の大部分は、最近の嵐で餌が食べられなかったために飢えて衰弱したツノメドリだった。
アルダニー野生生物トラスト(AWT)は、島の海岸にツノメドリが打ち上げられたとの報告を受けており、1万羽以上のツノメドリが死んでフランス、スペイン、ポルトガルの海岸に打ち上げられたと発表した。
英コーンウォール野生生物保護協会(CWT)は、1月と2月に 262羽のツノメドリがコーンウォールの海岸に打ち上げられたと発表したが、昨年はわずか 2羽しか報告されていなかった。
南西海岸は1月以来、ゴレッティ、イングリッド、チャンドラといった嵐に見舞われており、いずれも洪水を引き起こし、人間と野生動物の両方に壊滅的な被害を与えている。
アルダニー野生生物トラストの最高経営責任者であるローランド・ゴーバン氏によると、2014年に大規模な海鳥の惨事(大量死現象)が発生し、その年には、5万4000羽の海鳥が打ち上げられたことが記録され、そのうち約 3万〜 3万6000羽がツノメドリだったという。
同氏は、フランスの同僚たちがスペインとポルトガルのデータも収集し、今回の大量死では、このふたつの国でも数千羽の海鳥の死骸が記録されていることを発見したと付け加えた。
「現時点で死亡した鳥の数は 1万羽を超えているようですが、その数を証明するには多くの数字が必要です。おそらく発見された数より過小評価されており、大規模な海鳥の大量死が起きていると考えられます」とゴーバン氏は述べた。
ツノメドリは狩りをするのに視力を頼りにしており、餌を見つけるには澄んだ水が必要だが、荒れた海では餌をとるのが困難だとゴーバン氏は説明した。
「すでに死んでいるか、死にかけている」
「これらの個体群は、海上で冬を越し、ここ数カ月の嵐に巻き込まれ、各地に打ち上げられた英国や北欧の繁殖個体群である可能性が高い」と同氏は付け加えた。
「ようやく鳥たちは岸に戻ってきたが、残念なことに、海岸線に近づき、荒れた沿岸海域に入ったため、すでに多くが死んでいるか瀕死の状態です」
コーンウォール野生生物保護協会の海洋座礁ネットワークを運営するベックス・アレン氏は、海鳥の死に関する電話が 1日 40件以上寄せられていると語った。
ベックス・アレン氏。
同財団は検死結果を待っているが、海鳥を含む野生生物に影響を与えたのは継続的な悪天候によるものだと考えていると彼女は述べた。
「美しい鳥たちです。特にこれだけの数で打ち上げられているのを見ると、本当に胸が張り裂けそうです」と彼女は言った。「残念ながら、今のところ一向に(大量死の)収束の兆しが見えません」
「本当にどうなるかは見守るしかありません」
彼女は、1月と 2月に以下の数の座礁した海鳥がトラストに報告されたと述べた。
・ツノメドリ 262羽
・ウミバト 21羽
・ウミウ 5羽
・オシドリ 4羽
・マンクスミズナギドリ 3羽
・カモメ 2羽
2025年にこの地域で報告されたツノメドリの死は、年間で 2羽だけだった。2024年は 14羽だった。
鳥インフルエンザの恐れもあるため、当局は、一般の方は、死んだ鳥や明らかに病気の鳥を見つけても触ったり拾ったりしないように注意を呼びかけている。
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