奇跡の光景 洪水の時代 異常気象

サハラ砂漠での集中豪雨の中「モロッコの砂漠各地に湖が出現」。このような雨は50年ぶりの模様

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10月2日 モロッコ南東部の砂漠の町メルズーガに形成された湖

AP




今年 8月に「サハラ砂漠で、過去数十年で経験したことのないような豪雨が発生する予測」を In Deep の記事でご紹介しました。

そして、9月に集中豪雨が発生したのですが、その降雨量が予想以上に多かったようで、世界で最も乾燥した土地であるサハラ砂漠にかかるモロッコに湖が出現したことが報じられていました。

以下は、ドローンが撮影したモロッコの砂漠の最近の様子です。

なお、サハラ砂漠では、現在、「猛スピードで緑化が進んでいる」のですが、これらの湖などの出現によって、さらに加速するのかもしれません。

以下は、昨年と今年のサハラ砂漠の同じ場所の緑化の状況です。

昨年と今年(右)のサハラ砂漠の同じ場所の衛星画像

earthreview.net

報道では、

> この豊富な降雨は、砂漠の下にある大規模な地下水帯水層の補充に役立つとみられ…

とあり、本格的に肥沃な土地となっていく可能性もあります。

50年間干上がっていた湖に水が流れ込んだ」とも報じられています。

もっとも、洪水による被害も出ていて、モロッコとアルジェリアでは、20人以上が死亡し、農作地などにも被害が出ています。

しかし、これらの地帯が本格的に水が豊富で緑が多い土地へと変化していくとすれば、その後の時代は「水が豊富で農作物も豊富な土地」という、これまでとは異なる「豊かなサハラ砂漠」になっていく可能性があります。

サハラ砂漠の降雨についての AP 通信の報道です。





サハラ砂漠で珍しい降雨があり、砂丘から水が湧き出る

Water gushes through sand dunes after a rare rainfall in the Sahara desert
AP 2024/10/09

まれに見る大雨により、サハラ砂漠の砂丘に、まるで珊瑚礁のような光景が広がった。世界で最も乾燥したこの地域の一部に数十年ぶりの大量の水が供給されたのだ。

モロッコ南東部の砂漠は世界で最も乾燥した場所の一つであり、晩夏に雨が降ることはめったにない。

モロッコ政府は、洪水の被害が最も大きかった地域の一つであるタタを含む、通常なら年間の降雨量が 250ミリ未満のいくつかの地域で、9月の 2日間の降雨量が年間平均を超えたと発表した。

首都ラバトの南約 450キロにある村、タグニテでは、24時間で 100ミリを超える同地としては記録的な降雨量が観測された。

これらの集中豪雨は、城や砂漠の植物に囲まれたサハラ砂漠から水が湧き出る印象的な光景を残した。NASAの衛星は、50年間干上がっていたザゴラとタタの間にある有名な湖床、イリキ湖に水が流れ込む様子を捉えた。


ラシディア近郊の砂漠の町メルズーガ。

観光客がよく訪れる砂漠の集落では、四輪駆動車が水たまりを走り抜け、住民たちは畏敬の念を抱きながらその光景を眺めていた。

モロッコ気象総局のフシーン・ユアベブ氏は「これほど短期間にこれほどの雨が降ったのは 30年から 50年ぶりです」と語った。

気象学者が温帯低気圧と呼んでいるこのような雨は、空気中の水分量が増え、そして、蒸発量が増え、より多くの嵐を引き起こすため、今後数か月から数年にわたってこの地域の天候の進路を変える可能性があるとユアベブ氏は述べた。

モロッコでは 6年連続して干ばつが続いており、モロッコの大部分に困難をもたらしていた。農民たちは畑を休耕させ、都市や村は水を節約せざるを得なくなっていた。

そのような中、この豊富な降雨は、砂漠のコミュニティに水を供給するために頼りにされている砂漠の下にある大規模な地下水帯水層の補充に役立つ可能性が高い。

この地域のダム貯水池は、9月中、記録的なペースで補充されたと報告されている。しかし、この 9月の雨が干ばつの緩和にどの程度役立つかは今のところ不明だ。







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