Evaluation of COVID-19 vaccination effects on outbreak dynamics in Japan
日本では、コロナ対策として、ワクチンの急速な大規模接種、繰り返される緊急事態宣言、そして酒類提供の禁止等による政府の懸命な試みが行われていますが、その中で、これを目指していたのかどうかはわからないですが、8月24日、日本はついに、
「アジアでほぼ最高数の1日あたりの新たなコロナ感染者を記録」
しました。
最近は、タイやマレーシアなどの激しい感染拡大が報じられていましたが、ここに来て日本がナンバー1となったようです。
以下のグラフの通りです。
Daily new confirmed COVID-19 cases
これは実数ですので人口差がありますが、その実数は以下のようになっています。
2021年8月24日の感染が急拡大しているアジアの国の比較(実数 / 7日移動平均)
日本 新たな感染者数 23,035人
マレーシア 新たな感染者数 21,333人
タイ 新たな感染者数 19,358人
ベトナム 新たな感染者数 10,852人
人口 100万人あたりの新たな感染数では、現在、マレーシアが最も多く、それぞれ以下のようになっています。
2021年8月24日比較(人口 100万人あたり)
マレーシア 新たな感染者数 653人
タイ 新たな感染者数 283人
日本 新たな感染者数 180人
ベトナム 新たな感染者数 109人
アジアでは、実数でいえば、今でもインドが最も多く、この 8月24日の 1日あたりの感染者数は、32,358人となっていますが、何しろインドは「感染者急減中」で、最高値で、1日あたりの新たな感染数が 40万件近くあったところからの急激な減少を示しています。
たとえば、冒頭のグラフにインドを入れますと、以下のようになります。
Daily new confirmed COVID-19 cases
日本の最近の増加ぶりを見ますと、近いうちに、人口 14億人弱のインドの新たな感染数を超える可能性も出てきています。
逆にいえば、それだけインドの減少ぶりが急激だとも言えます。
なお、インドで感染数、死者数が激減している理由は、基本的には以下の記事で書かせていただいたことくらいしかグラフ上では思い浮かびません。イベルメクチン投与とグラフ上の急減の時期が一致しているからです。
インドの首都で「イベルメクチン大規模投与開始」1ヵ月後に感染数が「92%減少」という驚異的な結果。メキシコでも同様の結果に
投稿日:2021年6月4日
首都デリーの感染確認数の推移(4月20日にイベルメクチン大量投与開始)
JHU CSSE COVID-19 Data
日本がこれだけ感染者が急増した理由に関しては、考えられるものとしては、以下のグラフで示されるものかもしれません。
国民の二度の完全なワクチン接種率を先ほどの五カ国で比較したものです。日本がナンバー1です。
Share of the population fully vaccinated against COVID-19
これが原因だと思いますが、そういう意味では、日本とマレーシアが感染数でアジアのトップを争う日々は今後も続くと見られます。
そして、このワクチン接種率の差による「影響」は今後さらに大きくなっていくと思われます。
その理由は、以下の記事のタイトルにある通りです。
「接種者がデルタ感染を広げており、もはやワクチンは機能していない」:米ワシントンポストが CDC の内部資料を公開。今後、世界各国でワクチン接種者同士での感染爆発が無制御になることは避けられない模様
In Deep 2021年8月1日
このタイトルの、
> ワクチン接種者同士での感染爆発が無制御になることは避けられない
という部分です。
これに関しては、アメリカの CDC などもおおむね認めていまして、CDC 長官は、こちらの発言の中で(6分以降くらい)、つい、「ワクチン接種をした人たちは、より高い重症率と死亡率に苦しむ可能性がある」と述べてしまっていました。
これはつまりは、「だから三回目を打ってください」という話でしたけれど。
実際に、すでにパンデミックでの感染拡大は「ワクチン接種者たちだけのもの」へと変わりつつあることがデータで示され始めていることが報じられてもいまして、ワクチンを接種していない人たちの集団免疫は達成されつつあるようです。
ただ、ワクチン接種の影響は一時的とはいえないものがあり、接種率が高い国々の状況は、感染状況と共に、ADE などを含めて、今後さらに厳しくなっていくと見られます。