最期の食糧危機 異常気象

アメリカのこの春は「過去50年間で最も風が強かった」ことから思い出す1930年代のダストボウルの再来

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どんどん風が強くなっているアメリカ

アメリカの農業系メディアが、

「今年のアメリカの春は異常に風が強い年となっている」

ということについて報じていました。

強風により、農業の薬剤散布などが妨げられているという内容の記事です。

記事中のマップを見ますと、ほぼ全米レベルで平年より大幅に風が強く、強風の過去最高レベルを更新している場所や都市が多いです。

場所にもよるのですが、いくつかの都市のこの春の強風の記録は、

> 77年前から 97年前に遡るという。

ということで、場所によっては、約 100年ぶりの強風が記録されているようです。

この強風の増加と関係しているのか、今年のアメリカは、「竜巻がとても多い春だった」という報道も先日ありまして、同じ時期までの竜巻の平均発生数が 260件であるのに対して、今年はすでに 473件の竜巻が発生しているのだそうです。

それにしても、異常な強風という響きからは、1930年代にアメリカで発生した連続した砂嵐である「ダストボウル」という現象を思い起こさせます。

ダストボウルは、1931年から1939年にかけ、アメリカ中西部の大平原地帯で、断続的に発生した砂嵐のことで、Wikipedia の解説には、「アメリカ中西部農業の崩壊」という項目があります。

ダストボウル - アメリカ中西部農業の崩壊

世界恐慌に加えてこの災害の被害を受けたことで、テキサス州、アーカンソー州、オクラホマ州などグレートプレーンズでは多くの土地で農業が崩壊し、農家は離農を余儀なくされた。350万人が移住し、多くは職を探しにカリフォルニア州などの西部へ移住した。

移住は非常に大規模であった。オクラホマ州では 15%の人口がカリフォルニア州だけではなく、テキサス州、カンザス州、ニューメキシコ州へ移住した。オクラホマ州からの移住者である彼らは、少なくとも 30万から 40万人と見積もられる。

日本でも最近は、唐突な突風というのが多くなってきていますが、世界規模なんですかね。

今年のアメリカの強風について、農業系メディア AG WEB の記事をご紹介します。





あなたは間違っていない。これは50年ぶりの強風の春の始まりだ

No, You Aren’t Crazy: It Is The Windiest Start To Spring In 50 Years
AG WEB 2025/04/21

最近の強風は、農薬散布や植え付けを控えている農家にとっては、今春の農作物にとって大きな問題となっている。NOAA(アメリカ海洋大気庁)によると、今シーズンは、この季節の始まりとしては記録的な強風の一つとなっているが、より大きな問題は、この風がいつまで続くのかということだ。

この春、強風との戦いに疲れ果てているのはあなただけではない。

アメリカ海洋大気庁(NOAA)によると、今年の春の初めは記録的な強風が吹き荒れ、アメリカ全土で突風が吹き荒れているため、除草剤散布を予定している農家にとって頭の痛い問題となっている。

「ここ 50年で最も風の強い 3月から 4月上旬にかけての天候です」と、ニュートリエン・アグ・ソリューションズの主任大気科学者、エリック・スノッドグラス氏は語る。

「ここ中西部だけではなく、南部平原でも信じられないほどの強風が吹き荒れています。メキシコ、ニューメキシコ、テキサスからは時折、特に大規模な砂嵐が吹き荒れました」

この風のせいで農薬散布計画を変更せざるを得ない農家も出ている。

アイオワ州オグデンで農業を営むブライアント・ハンターさんは以下のように言う。

「数日間作業を止めなければなりませんでしたが、日中の特定の時間帯に風が吹いたり、時には真夜中に強風が吹くこともあります。(風のない時を見計らって)真夜中に出発して農薬を散布することもあります」

先週だけでも風速が時速 30マイルを超え、畑に入って農薬散布をするのはおろか、植え付け作業中も視界が悪かった。

彼によれば、昨年も同様に困難で、風との絶え間ない戦いだったという。

「昨年は本当に農薬散布が大変でした。昨年は 130ヘクタールの農地に暗闇の中で散布しました」とハンター氏は言う。

 

これは長期的な傾向なのだろうか

より大きな疑問は、これが春の始まりの風の強さなのか、それともこの風がシーズンを通して続くのかということだ。

「これは長期的な傾向の一部なのかどうかについては、長期的なデータの中にはそうではないと示唆するものもあるでしょうが、確かに風が非常に活発な春が数年連続で続いているようにも感じます」とスノッドグラス氏は言う。

今年の春の始まりは風が強く、特に一部の地域では深刻な被害が出ている。ミシガン州を例に挙げると、ミシガン州では、今年 3月、記録上最も風が強かった州となった。他の 9州では、2番目に風が強かった州ととなった。

例外もあり、サウスダコタ州北部、テキサス州南部、フロリダ州南部では風がやや弱まった。

過去の平均値と比較した最大の異常値は、上のマップで濃いオレンジ色で示されており、過去の平均値より 1.6 ~ 2.4 mph (1 ~ 1.5 m/s) 高い値だった。

さらに、AccuWeather の気象学者は、ロッキー山脈の東側にあるほぼすべての主要都市が、3月の平均突風の最高記録で 1位または 2位にランクされていることを発見した。

AccuWeatherによると、ピッツバーグ、アトランタ、リトルロック、カンザスシティ、インディアナポリス、シカゴの各都市は、3月の平均突風速の過去最高記録を 1マイル(約1.6km/h)以上大幅に更新した。

インディアナポリスは風の強い都市の中で最も風が強く、2022年の平均突風速 33.69マイル(約53.4km/h)という過去最高記録を 1.51マイル(約2.4km/h)上回る 35.20マイル(約56.2km/h)を記録した。

それだけではない。ワシントンD.C.、ニューヨーク市、ローリー、マイアミ、ニューオーリンズ、アマリロ、ダラス、ミネアポリス、スーフォールズも、3月で最も風が強かった都市の 1位にランクされた。ボストン、ジャクソン、コーパスクリスティは 2位だった。

AccuWeather によれば、これらの都市の記録は、主に空港が建設された 77~ 97年前に遡るという。







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