
2026年1月28日、テキサス州ディリーで行われたICEが5歳の男の子を拘束したことに対する抗議デモ。
ICE拘留施設で増え続ける妊婦と流産
英ガーディアン紙が、アメリカ移民税関執行局(ICE)の拘留施設で、「収容されている妊婦の流産が非常に多く起きている可能性」を報じています。
さらには、「 2025年10月以降の流産に関するデータが発表されていない」ために、実際にはさらに多くの流産が起きているのではないかとしています。
以下は、ICE の施設に収容されている妊婦さんの数と、流産した女性の数の推移です。
ICEの施設の妊婦と流産した女性の数の推移

theguardian.com
収容されている妊婦さんの数に関しては、少なくとも 2026年まではずっと増え続けていたことが傾向としてわかります。
ICE に関しては、いろいろな問題が過去にも言われていて、たとえば、移民の農業労働者が、摘発されるのをおそれて、多くが仕事に出てこないということが 2025年に問題視されていました。
作物の収穫などに大きな影響が出ているのです。
今回の問題はそれとは異なる話ですが、人道という概念は、ICE の施設にはあまりないようでもあります。
冒頭の写真は、ICE が、5歳の男の子リアム・ラモス君を拘束したことに対する抗議デモです。5歳の子どもも拘束してしまうのですね。
ガーディアン紙の報道で、非常に詳しく報じられていますが、それを比較的短くまとめたメディアの記事をご紹介します。
拘留施設で流産する女性があまりにも多く、ICEは数えきれなくなっている
So Many Women Are Miscarrying in Detention Centers That ICE Has Lost Count
futurism.com 2026/09/18

ICE(米国移民税関執行局)の施設は、劣悪な生活環境、拷問のような扱い、そして質の低い医療の ひどい欠如など、誰にとっても恐ろしい場所となっている。
残念ながら、記録的な数の妊婦がこうした施設に送られており、妊娠期間中にこれほどひどい場所を想像するのは難しい。
英ガーディアン紙による衝撃的な新たな報道は、ICE(移民税関執行局)に拘束されている妊婦や 10代の若者の医療状況を厳しく検証した。
トランプ大統領がホワイトハウスに復帰してからの最初の 9ヶ月間で、 ICE は拘束中の女性から 18件の流産を記録しており、これはすでに恐ろしい数字だ。
しかし、ガーディアン紙が明らかにしたところによると、ICE の流産記録は 2025年10月までしかなく、それ以降の流産は記録から漏れてしまっている。
重要な健康情報を露骨に無視するこの行為は、連邦拘留施設で妊婦が直面する悪夢のような状況を浮き彫りにしている。ニカラグア出身の亡命希望者アナベルという名の女性が、ガーディアン紙に自身の体験を語った。
アナベルは、政府による定例の出頭手続きの最後に拘束された後、妊娠検査薬を 2回投与され、どちらも陽性反応が出たと述べている。しかし、それだけだった。通常の血液検査や妊婦用ビタミン剤の投与は行われず、投与されたタンパク質の量もほとんど変わらなかった。
拘留されてから 1か月後、アナベルはガーディアン紙に対し、出血し始めたと語った。
「医者に診てもらう必要があると言ったのですが」と彼女は言ったが、ICE 職員は動じなかった。ICE 施設でさらに 1日過ごした後、アナベルの仲間の被拘留者たちがようやく警備員を説得し、彼女を救急室に連れて行ってもらった。そこで彼女はベッドに手錠で繋がれ、3人の ICE 職員に監視された。
アナベルは通訳を通して、流産したことを知った。その後も出血、嘔吐、発疹、脱毛、体重減少などの健康上の問題に悩まされているが、それらに対する追加の治療は一切受けていない。
「これからどうなるのか、私には分かりません」と彼女は同紙に語った。
ロバート・アンド・エセル・ケネディ人権センターの上級弁護士であるサラ・デッカー氏がガーディアン紙に語ったように、ICE(米国移民税関執行局)が、同局の拘留下にある妊婦の数や、彼女たちが直面している劣悪な健康状態を本当に知らないとは考えにくい。
デッカー氏はこのように述べた。
「バジルにある(南ルイジアナ州の処理センター)で私たちが会った妊婦の多くは、ICE 職員に妊娠を明かさなければならなかったこと、産前ケアや婦人科医の診察を受けるために奔走しなければならなかったこと、合併症のために緊急治療が必要だったことを話してくれました」
「つまり、ICE は明らかにこのことを認識しており、人々がこのデータにアクセスできる範囲を曖昧にしようとしているのは、これらの施設で起きている生命を脅かす医療ネグレクトの深刻さを隠蔽するためだと私は考えています」
