ミシガン州北部で広範囲の氷嵐により電力設備が重大な損傷。AP
米ミシガン州で、3月28日からの 2日間「大規模な氷の嵐」が発生しました。これにより、数十万件が停電し、今でも 17万件が停電しているようです。
非常に多くの送電線や変電所などが被害を受けたため、復旧がなかなか困難になっているようで、場所によっては、さらに数日間停電が続く可能性があるようです。
これを受けて、ミシガン州知事は、10の郡に対して非常事態を宣言しています。
「氷の嵐」は、ごくたまに見られる現象ですが、普通は真冬とか、そういうときに起きるもので、ミシガン州で起きたのは 3月の末ですから、時期的にはやや異常です。
以下は、2020年11月にロシアのウラジオストックで発生した氷の嵐の後の画像です。
2020年11月 ウラジオストック
このように、電柱などに氷が漂着してしまい、その氷が溶けない限りは復旧作業をしようがないというのが特徴かもしれません。
何というか、世界各地でいろいろなタイプの自然災害が続いていますが、今後はどうなんでしょうね。
ミシガン州の停電被害についての地元メディアの記事です。
ミシガン州北部の氷雨による被害の修復がなぜ難しいのか
Why this Northern Michigan ice storm damage is so tough to fix
mlive.com 2025/04/01
電力網は損傷しており、氷は溶けていない。
これが、壊滅的な氷雨の後、ミシガン州北部の住民の一部が 5日間にわたって停電に見舞われ、今後も数日間停電が続く可能性がある理由の簡潔な答えだ。
この氷雨の嵐では、ミシガン州北部の嵐で数千マイルの送電線が氷に覆われるという「壊滅的な被害」を受けた。
電力会社コンシューマーズ・エナジーのメディア関係担当ディレクターのケイティ・ケアリー氏は以下のように語った。
「ミシガン州北部の氷の影響を受けた広大さは、私たちがこれまで見たことのないものです」
この電力会社は、3月28日と 29日の氷雨で最も被害を受けた地域を含む、ミシガン州の何百万人もの住民に電力を供給している。
同社によると、約 79,000人の顧客が停電しているが、その中には 3月31日に 5つの竜巻が確認されるなど壊滅的な暴風雨に見舞われたミシガン州南部も含まれている。
ケアリー氏は、2つの嵐の影響を受けた顧客の 65%は今日(4月1日)電力が復旧したと述べた。しかし、そのほとんどは南部の暴風地域だ。
ミシガン州北部は依然として嵐による被害が続いている。同地域の他の小規模電力会社も、同じ郡の顧客への電力復旧に苦戦している。
倒れた電線は枝に絡まり、氷は溶けていないとケアリー氏は語った。州全体で 200本以上の電柱が折れたり倒れたりした。
「電力の復旧を始める前に、清掃作業が非常に大規模に必要となります」と彼女は語った。
しかし、問題は、高圧配電線や送電線、変電所が厚い氷の層によって損傷を受けたことだという。
電力会社コンシューマーズ社とグレート・レイクス・エナジー社は、高圧配電線や送電線、変電所が厚い氷の層によって損傷を受けたことを確認した。
つまり、家の近くの電線は修理されているかもしれないが、その上流の送電線、変電所にまだ電気が来ていないということだ。
「電力網そのものが影響を受けているのです」とケアリー氏は語る。
ミシガン州北部の電力は週末までに回復する見込みだと彼女は語った。
しかし、今夜から水曜日(4月2日)にかけてまた別の嵐が襲来すると予想されており、状況が変わる可能性もある。
電力会社グレート・レイクス・エナジーは以下のように述べた。
「停電が起きても、ほとんどの人は数時間以内に復旧するだろうと期待します。しかし、現在私たちが経験しているような大規模な嵐が広範囲に被害をもたらすと、停電はより長引くことになります」
送電線や変電所は復旧しているものの、「木々や電線、電柱を破壊し続ける大規模な氷の問題にまだ対処しています」と同社は述べた。
現在、40,000人以上の同社の顧客が停電している。