約40万人の行方不明者
ガザのジェノサイドが始まってから 620日を超えました。
公式には、ガザ地区でのパレスチナ人の死亡者数は 6月24日時点で 5万6000人となっていますが、最近の米ハーバード大学のデータセットをイスラエルの大学教授が調査した報告書によると、
「ガザ地区で 37万7000人が行方不明になっている」
ことがわかりました。
現在のガザの人口は 185万人ですが、そこから比較すると、大変な数の行方不明者がいることになります。
報告書によれば、行方不明者の中には、避難したりした人たちも含まれているかもしれないとはいえ、このうちの相当数が、殺害されたか死亡したと見られています。
そして、ガザで殺害されたうちの約 6割が「女性と子どもと高齢者」となっていて、かなりの数の子どもが消えてしまった可能性があります。
今回ご紹介する記事にもありますが、2024年に医学誌ランセットが、「ガザでの死者数が最大 60万人規模になる」と報じていたことがありましたが、次第にその数に近づいているのかもしれません。単なるジェノサイドを超えた事態となってきています。
ハーバード大学のデータセットについての報道です。
ハーバード大学関連の調査で、イスラエルがガザ地区のパレスチナ人約40万人を「失踪」させたことが判明、その半数は子ども:報告書
Harvard-linked study finds Israel ‘disappeared’ nearly 400,000 Palestinians in Gaza, half of them children: Report
The Cradle 2025/06/24
ハーバード大学データバースで発表された研究によると、イスラエルは 2023年にガザ地区に対する大量虐殺キャンペーンを開始して以来、少なくとも 37万7000人のパレスチナ人を「失踪」させたことが明らかになった。
このうち半数はパレスチナの子どもたちだと考えられている。
この報告書はイスラエル・ベングリオン大学のヤコブ・ガルブ教授によって執筆されたもので、同教授はデータ駆動型分析と空間マッピングを用いて、イスラエル軍によるガザ地区の包囲と飛び地の民間人に対する無差別攻撃がいかにしてガザ地区の人口の深刻な減少を招いたかを明らかにした。
イスラエルによるジェノサイドにより行方不明となっている 37万7000人のパレスチナ人は、現在約 185万人であるガザ地区全体の人口の約 17%に相当する。ガザ紛争以前の同地区の人口は推定 222万7000人だった。
報告によると、避難したり行方不明になったりしている人もいるが、相当数の人々がイスラエル軍によって殺害されたと考えられている。
教授は、瓦礫の下に閉じ込められた犠牲者が含まれていないため、公式の死者数 6万1000人は明らかに過小評価であると指摘している。
ガルブ教授は報告書の中で、先月立ち上げられた物議を醸している米国とイスラエルの援助分配メカニズムであるガザ人道財団(GHF)も非難した。
「これらの支援施設は、援助というよりは統制の論理を反映しているように思われ、これを『人道支援物資配給拠点』と呼ぶのは誤りでしょう。人道原則に則っておらず、その設計と運営の多くは他の目的に左右されており、宣言された目的を損なっています」とガルブ氏は述べた。
国連は、ガザ人道財団は強制移住を促進するために設計されたと非難している。ガザ人道財団の活動開始以来、イスラエル軍による支援要請を受けた数百人のパレスチナ人が殺害されている。
ハーバード大学の報告書は、ガザでの死者数が実際には報告されているよりも大幅に多い可能性があることを示唆した最初のものではない。
医学雑誌「ランセット」 は今年1月、イスラエルによるガザでの大量虐殺による死者数が戦争開始から 9か月間で 41%過小評価されていた可能性が高いとする研究を発表した。
1月の調査では、殺害された人の約 59.1%が女性、子ども、高齢者だったことが強調された。
その前年の 2024年7月、ランセット誌は イスラエルのガザ攻撃により 14万9000人から 59万8000人の犠牲者が出る可能性があると報じていた。