
人工子宮を持つロボットお母さん
中国の科学者が、
「人工子宮を備えたロボット代理母」
の開発を進めていることが報じられています。
まあ、今の時代だと、必ずこういうことを考える科学者は出てくるものですけれど、仕組みとしては、きわめて簡単に言いますと、
> これらの人工子宮は受胎から出産までの妊娠を模倣するように設計されており、乳児はチューブを通じて栄養を受け取る。
ということらしいんですが、この人たちは、胎児というものは、「子宮みたいなものを作って、そこで栄養を与えていれば育つ」と考えているのかもしれないですが、人間の場合、お腹の中の赤ちゃんの成長というのは、極めて複雑なメカニズムで成り立っていて、そうそう人為的に、どうこうできるものとも異なります。
たとえば、以下の In Deep の記事では、
「卵子が受精して子宮の内膜に着床した状態(妊娠が成立したとき)から、その後に、どのように妊娠が継続されていくか」
を、ヒト絨毛性ゴナドトロピンというホルモンを中心に書いていますが、本当に複雑なものです。
・ワクチンによる不妊と流産をめぐるシンシチンとヒト絨毛性ゴナドトロピン探究の旅は続く
In Deep 2021年7月4日
それでも、いわゆる「人間」という意味ではなく、「生きたロボットのような存在としての生体の赤ちゃん」なら、人工子宮でも生育させられるのかもしれないですね(よくはわからないですが)。
かつて、ジャック・アタリというエリートが「 2030年からの世界」を予測して書いたとされる『未来の歴史の概要』という著作をご紹介したことがありました。
『性』というセクションには、以下のようなことが書かれています。
ジャック・アタリ『未来の歴史の概要』
生殖に関しては、ますます合理的になり、早産、体外受精、代理母を使用することにより、母性を人工的な存在とし、セクシュアリティの女性の分担から生殖的役割を排除するようになる。
将来的に、人工子宮等により人間の生産が可能となった時には、社会は生殖とセクシュアリティを切り離すことさえ考えるかもしれない。
…それから人は、ついに人工物のように製造され、もはや死を知らなくなるだろう。産業用オブジェクトと同様に、その人は生まれたことがないため、もう死ぬことはないのだ。
ディストピア的な発想そのものではありますが、私たちの世界は、そこに近づいているのかもしれません。
いわゆる人間そのものを人工子宮で育てて出産するのは今は無理でしょうけれど、「人間のようなもの」なら可能かもしれません。
人工子宮を備えたロボットに関しての報道です。
中国の科学者たちは、赤ちゃんを「出産」するための人工子宮を備えたロボットを開発している
Chinese scientists are developing robots with artificial wombs to ‘give birth’ to babies
lifesitenews.com 2025/08/19
自然な妊娠を奪い、深刻な害を及ぼす可能性のある「人工子宮」が中国で「成熟段階」にあるという

中国の科学者たちが、人間の赤ちゃんを「出産」するために設計された人工子宮を備えたロボット代理母を開発している。
これらの人工子宮は受胎から出産までの妊娠を模倣するように設計されており、乳児はチューブを通じて栄養を受け取る。
カイワテクノロジー社の創設者で中国の科学者である張其鋒 (Zhang Qifeng)博士は、この技術はすでに「成熟段階」にあり、来年には試作品が 10万元(約 200万円)で販売される予定だと語った。
「次に、それをロボットの腹部に埋め込み、実際の人間とロボットが相互作用して妊娠し、胎児が体内で成長できるようにする必要があります」と張氏は述べた。
メディア報道によると、ヒト胚がどのように作製され、その後この装置に移植されるのかという詳細は依然として不明だが、何らかの体外受精が行われる可能性が高い。
成長中の赤ちゃんは妊娠期間全体を通じてロボットの中にいて、子宮に似た雰囲気を作り出すように設計された人工羊水に囲まれることになる。
このロボットは中国やその他の国で増加している不妊率に対処するために作られたと言われている。
英テレグラフ紙は、人工子宮は「医学と家族や生殖に関する概念に革命を起こす可能性がある」と主張し、それが自然な家族に対する攻撃であることを暗に認めた。
批評家たちは、赤ちゃんから母親の自然な子宮を奪うことは非倫理的で残酷だと警告している。医療専門家たちは、人工子宮が人間の妊娠を再現できるかどうか疑問視している。彼らは、母体ホルモン分泌のような複雑な生物学的プロセスをロボットで再現することはできないと強調している。
さらに、妊娠中に胎児と母親はマイクロキメリズム (※ 他者の細胞が、その人の体内に定着し、長期間生存している現象のこと。ここでは母親と胎児の関係)と呼ばれるプロセスを通じて細胞を交換する。この細胞移植は、母親の免疫因子に曝露することで胎児の免疫系を助け、自己免疫疾患のリスクを低減する可能性があると考えられている。
赤ちゃんは子宮の中にいる間に母親の声を認識し始め、絆、感情の調節、言語の発達を促す。
体外受精で生まれた可能性のある赤ちゃんのための人工子宮は、これが開発中の唯一の計画ではない。
ライトサイトニュースが最近報じたように、富裕層の投資家たちは、高い IQ など特定の望ましい特性を持つ遺伝子を選抜した「デザイナーベビー」を生み出すために、胚の遺伝子操作を行う企業にも資金を提供している。