最近、アフリカのコンゴ民主共和国で、「病原体 X (Disease X)」と名付けられた原因不明の感染症が拡大していることを記事にしたことがありました。
何だか、この病原体 X の話も急速に消え去っていまして、今はどうなっているのかまったくわからないですが、今度は、そのコンゴ民主共和国の隣国であるウガンダで、
「踊るように震える症状を呈する女性だけの謎の病気」
が確認されたことを、ビジネス・インサイダー・アフリカが報じていました。
名称は、ディンガ・ディンガと付けられたようですけれど、これは、地元の言葉で「踊るように震える」という意味のようです。
コンゴ民主共和国とウガンダの位置関係は以下です。
Google Map
ウガンダを含む中央アフリカというのは、栄養状態の悪化の問題が大きいのだとは思いますが、最近のアフリカの中で最もさまざまな感染症が流行している地域でもあります。
最近では、過去1年間で、サル痘感染者数が 500%増加したと報じられていましたが、そのほぼすべてが中央アフリカでの症例です。
ウガンダでも、昨年 11月に正体不明の感染症が発生し、十数人が死亡したと報じられていたことがありました。
栄養状態の改善がなされない限り、このような感染症の連鎖は消えないのだとも思いますが、それとは別に、「奇妙な症状」の感染症が多いなという感じも受けます。
ビジネス・インサイダー・アフリカの記事をご紹介します。なお、記事に出てくる医師は、「抗生物質で治療可能だ」と述べていますが、病原体が細菌だか真菌だかウイルスだかわからない時点での抗生物質の投与はどうなんですかね。
奇妙なダンス病がウガンダの女性たちを悩ませている
A strange dancing disease seems to be plaguing women in Uganda
Business Insider Africa 2024/12/14
ウガンダのブンディブギョ地区で、地元の人々が「踊るように震える」という意味で「ディンガ・ディンガ (Dinga Dinga)」と呼ぶ新たな病気が保健当局によって確認された。
・ウガンダのブンディブギョ地区でディンガ・ディンガと呼ばれる新たな病気が確認された。
・この病気は現在約 300人を感染させており、そのほとんどが女性と女児で、発熱や体の過度の震えを引き起こしている。
・キイタ・クリストファー博士は、死亡者は報告されておらず、この病気は通常抗生物質で治療可能であると述べた。
この不可解な病気は、主に女性と少女約 300人を感染させたと報告されている。
この病気の症状には、発熱や、歩行が困難になるような過度の体の震えなどがある。
ほとんどの場合、この病気は治療しなくても治るが、1週間後に病院で治療を受ける患者もいた。
地区保健当局のキイタ・クリストファー医師は地元メディアに対し、ブンディブギョ地域以外の近隣地域では症例は記録されておらず、サンプルは分析のために保健省に提出されたと語った。
クリストファー医師は、死亡者は報告されておらず、この病気は通常、地域の医療チームが投与する抗生物質で治療可能であると指摘した。
「伝統薬がこの病気を治療できるという科学的証拠はありません。私たちは特別な治療法を用いており、患者は通常 1週間以内に回復します。地元の人々には地区内の医療施設で治療を受けることをお勧めします」と彼は述べた。
ウガンダの新聞「ザ・モニター」が報じたところによると、患者の一人、ペイシェンス・カトゥシメさんという 18歳の女性は、麻痺したように感じたにもかかわらず、体が制御不能に震え続けたと述べ、病気の経験を振り返った。
「体が弱って麻痺し、歩こうとするたびに体が震え、とても不安でした。治療のためブンディブギョ病院に運ばれたことを、神に感謝しています。今は元気です」と彼女は振り返った。
数か月前、ウガンダおよび他の東アフリカ諸国でサル痘(MPOX)の発生が報告されていた。
世界保健機関(WHO)はコンゴ民主共和国とブルンジにおけるサル痘の発生を確認し、東アフリカ各国政府は直ちに対応を開始した。
その後、WHO は住民たちに自らを守り、サル痘の蔓延を阻止する方法を教育し始めている。