太陽活動と宇宙 異常な現象 自然の力

8月の太陽活動(黒点数)が、公式に予測されていた数値の「2倍」に達する。極大期の到来はすでに専門家たちにも予測不可能に

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21世紀のすべての記録を破る直前

現在の太陽活動は第25太陽活動周期となっていまして、一般的にサイクル25と呼ばれます。

この現在の太陽活動周期については、当初の予想とはまったく異なる様相を見せていました。

もともとサイクル25は、前回の活動周期(サイクル24)よりもさらに弱くなると予測されていたのでした。しかし、今年 8月の始めには、現在のサイクル25は、前回のサイクル24の「すべての平均数値を超えた」のでした。

サイクル23(1990年に始まる)からサイクル25の平均黒点数の推移

BDW

そして、8月中には、さらに黒点数が顕著な増加を示していまして、本日のスペースウェザーでは、8月の月平均の黒点数が 23年ぶりに 200を超えた報じられていました。

2001年から2024年8月までの太陽黒点数(月平均)

spaceweather.com

今回ご紹介するスペースウェザーの記事の中には、以下の表現が出てきます。

現在の太陽活動周期が、これほど強力になるとは予想されていなかった。2019年12月に始まったとき、専門家たちは、その直前の太陽活動周期第24と同様に弱いものになると予測していた。しかし、第25太陽活動周期は、20世紀の最も強力な活動周期に匹敵するペースで進む可能性がある。

そうなんですよ。

専門家たちは、サイクル25を非常に弱い太陽活動周期になると予測していたのです。たとえば、以下は 2019年6月の記事です。

(記事)米NASAが次の太陽活動周期サイクル25は「過去200年間で最も弱くなる」という予測を公式に発表。2032年頃まで続くその環境の中の地球はどうなる?
In Deep 2019年6月23日

当時の NASA は以下のような予想をしていました。


NASA

 

「激しくハズレてやんの」と言いたいところですが、何よりも「私自身」も、ずっと同じように予測していました。「ハズレてやんの」は自分に対してかける言葉ですね。とにかく、私は、サイクル25は、きわめて弱い太陽活動になると、それこそ 10年くらい前から確信していたのでした。

ところが、実際には「真逆」だったのです。

先ほどの最近のグラフのように、下手をすると、「 20世紀の最強クラスの太陽活動の強さに迫るかもしれない」という事態となってしまいました。

「なってしまいました」というのは妙な表現ですが、太陽活動があまりに大きいと、社会的にも暴力とか、あるいは「太陽嵐の直撃」などいろいろと厄介なことも起きやすいですからね。

ともかく、実際に太陽活動は 21世紀すべての記録を超えようとしていまして、過去 200年で最低どころか、過去 200年で最高クラスにまで成長していくのかもしれません。

極大期(平均黒点数が最も多くなる月)がいつになるかは今のところわかりません。今は、NASA や NOAA の専門家たちも、太陽活動に関する長期の予測は出さなくなっています。「予測できない状態」のようです。当初の NOAAの予測では、2025年7月でしたが、何ともいえません。

スペースウェザーの記事をご紹介します。





太陽活動サイクル25は引き続き活発化

SOLAR CYCLE 25 CONTINUES TO SURGE
spaceweather.com 2024/09/04

太陽活動は引き続き活発化している。2024年8月には、月平均黒点数が 23年ぶりに 200を超え、公式予測のほぼ 2倍となった

現在の太陽活動周期(サイクル25)が、これほど強力になるとは予想されていなかった。2019年12月にサイクル25が始まったとき、専門家たちは、その直前の太陽活動周期24のように弱いものになると予測していた。

しかし、サイクル25は、20世紀の最も強力な周期に匹敵するペースで進む可能性がある。すでに 2024年5月には、南太平洋、中央アメリカ、南アフリカでオーロラが目撃されるなど、100年クラスの磁気嵐を経験している

太陽黒点数が前回これほど高かったのは、2001年9月から 12月で、太陽は 2003年のハロウィーン大嵐を引き起こす準備を進めていた。

この嵐には、史上最強のX線太陽フレア(X45)や、太陽系の端でボイジャーが感知したほどの強力な CME (コロナ質量放出)が含まれていた。同じことが起こる保証はないが、現在の太陽黒点数から、その可能性は高いとみられる

数年後、振り返ってみると、2024年が太陽活動サイクル25 の極大期だったことに気づくかもしれないし、あるいは、そうではないかもしれない(※ 極大期は現状では専門家にも予測できないということを示しています)

当初の公式予測では、太陽活動の極大期は 2025年 7月に発生すると予測されていた。いずれにしても、今後少なくとも 2年間は太陽活動が活発になるだろう。







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