すべての燃料が完全に枯渇という事態が意味するもの
今年 1月から、アメリカの政権がキューバに対しての石油封鎖と制裁を継続する中で、キューバは何度も深刻なエネルギー危機に見舞われていました。
2月には「航空機の燃料がなくなる」という警告が出され(翻訳記事)、また、大規模な停電が何度も発生しており、3月からは「全土で停電」ということも起きています(翻訳記事)。
そんな中で、5月13日に、キューバのエネルギー大臣が、
「燃料備蓄がすべて枯渇した」
とテレビで発表しました。
ディーゼル燃料と石油が完全に枯渇したようなのです。
これらがなければ、輸送もできないし、そもそも、発電ができない。
医療も不可能になる。生産は完全に止まる。
現在、首都ハバナでさえ、1日最大 22時間の停電が発生しているようですが、状況に変化がなければ、この状態は継続することになり、国家機能自体が麻痺することになります。
これもまた他人の国の話ということではないです。
「石油が完全に枯渇すると、国家はこうなる」
ということを見せてくれている。
日本も現在、石油備蓄を放出し続けて生きながらえていますが、それがいつまで続けられるのかは(数値上ではある程度わかるにしても)不明です。
そして、その後、どうなるのか。
非常に少ない量の原油がたまにちょぼちょぼと入ってきてはいますが(2〜 3時間分の消費量しかないタンカーが入港したり)、根本的な解決がなければ、いつかキューバの二の舞を踏むことにならないとも限りません。
現在、エネルギー危機に陥っている国は、他にもたくさんありますけれど、原油の中東への依存度が世界一高い日本が最もストレートに影響を受けていると考えられます。
今回のキューバのように「燃料が完全に枯渇する」という事態は珍しいことですが、半年、1年、2年のうちに、同じような苦境に陥る国が出てきても不思議ではありません。
キューバに関しての報道です。
キューバが燃料備蓄がすべて枯渇したと発表:「我々には全く何も残っていない」
Cuba announces it has exhausted all its fuel reserves: ‘We have absolutely nothing’
elpais.com 2026/05/14
キューバのエネルギー大臣は、電力網の動力源となるディーゼル油と重油の備蓄が、米国がエネルギー規制を強化してからわずか2週間後に枯渇したと説明した

キューバは燃料が完全に枯渇した。
キューバのエネルギー・鉱業大臣であるビセンテ・デ・ラ・オ・レヴィ氏は水曜日 (5月13日)の午後、同国にはディーゼル油や重油が 1滴も残っていないと発表した。
ディーゼル油や重油は、慢性的に、しかもますます長期化する停電に悩まされている同国の老朽化した電力網の電力供給に不可欠な燃料だ。「重油もディーゼル油もまったくない。燃料備蓄もまったくない」と大臣はテレビ演説で説明した。
「キューバ政府は燃料を我々に売りたい人を誰でも受け入れる」と付け加えたが、米国が課している厳しいエネルギー禁輸措置については言及しなかった。
米国は締め付けを強めている一方で、国民が生き残るために苦闘する中、カストロ政権が何らかの行動の余地を求めている状況下で、カストロ政権との交渉ルートを維持している。
1月下旬以来、ホワイトハウスはキューバに対する石油封鎖を継続し、エネルギー供給国に対して制裁や関税を課すと脅迫している。封鎖によって主要な供給国であるベネズエラとメキシコを失ったキューバは、過去最悪の供給危機に直面しており、島全体が停電に見舞われているだけでなく、病院や交通機関といった基本的なサービスにも深刻な問題が生じている。
「状況は非常に緊迫しており、ますます緊迫している」と大臣は付け加え、海外からの最後の輸送分を完全に使い切ったことも発表した。
3月末に、10万トンの原油を積んだロシアの石油タンカーが到着した。キューバのエネルギー需要の 3分の2は、主にベネズエラとメキシコからの燃料輸入で賄われている。エネルギー構成の 80%は、16基の火力発電ユニットと、国内各地に点在する様々な燃料油およびディーゼルエンジンに基づいている。
キューバのエネルギー網は現在、キューバの希少な原油、天然ガス、再生可能エネルギーに完全に依存している、と大臣は付け加えた。キューバは、過去 2年間に中国企業が設置したパネルのおかげで、1,300メガワットの太陽光発電設備容量を有している。しかし、不安定な電力網のため、そのエネルギーの多くはバッテリーに蓄えることができず、無駄になっている。
「首都ハバナでは、停電が 1日 20~ 22時間を超えている」と大臣は述べた。
長年にわたりハバナの同盟国である中国は、キューバ政権への対外援助の柱となってきた。ドナルド・トランプ大統領は現在北京を訪問中だ。
火曜日 (5月12日)、出発前にトランプ氏は外交への決意を示すと思われるメッセージを発信した。「キューバは助けを求めている。我々は話し合うつもりだ!」と彼はソーシャルメディアに投稿した。
今週水曜日、国務省は声明を発表し、キューバの共産主義体制に対する「意義ある改革」を実施するために、同国に1億ドル (約 158億円)の援助を提供すると表明した。
同時に、米政権は 5月1日に制裁をさらに強化し、特にエネルギー、防衛、安全保障、金融分野において、キューバと商業関係を持つほぼすべての非米国人または団体に制裁を課した。これはトランプ氏が可能な限り用いるアメとムチの戦略であり、
ここ数週間、キューバへの介入が差し迫っているという噂も加わっている。CNN は、激しい発言に加え、米国の偵察機やドローンによる多数の飛行についても報じた。
2月4日以降、米空軍と海軍は少なくとも 25回の飛行を実施しており、そのほとんどはキューバの二大都市であるハバナとサンティアゴ周辺で行われた。この種の活動は、ニコラス・マドゥロ大統領を拘束する 1月3日の作戦に先立つ数週間、ベネズエラ周辺でも増加した。

