最期の食糧危機 洪水の時代 異常気象

アフリカのサハラ砂漠周辺地域で広範囲にわたり過去数十年で最悪の洪水が発生し、1000人以上が死亡。飢餓や感染症危機のリスクが高まる

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洪水から避難するニジェールの住民たち。BBC




サハラ砂漠に、かつてない異常な豪雨が続いており、サハラ砂漠の一部が猛烈な勢いで「緑化」していることを最近の記事で取り上げました。

昨年と今年(右)のサハラ砂漠の同じ場所の衛星画像

watchers.news

それと同時に、サハラ砂漠を有する複数の国で、過去数十年で最悪規模の洪水が起きていることが報じられています。

最も洪水の被害が激しい国や地域は、以下の国や地域となると思われます。


Google Map

サハラ砂漠を緑化させている豪雨と同じような地域なのですけれど、これが、過去数十年ではなかったような洪水被害となっているようで、特に農地などの食糧関係や医療施設が破壊されているようです。

前回の記事では、スーダンの壊滅的な状況を取り上げましたが、位置的にスーダンもこの豪雨の影響を受けている地域も多いと見られます。

しかも、天気予測では、「今後も雨が続く」と見られていて、中央アフリカから西アフリカの一部は、かつてない自然災害の渦中にあると言えます。

アフリカでは現時点ですでに食糧不足が危機的な地域が多く、それが加速する可能性があるというのが懸念されるところです。

栄養危機は、そのまま感染症流行の危機につながります。

今はアフリカのこういう危機が報じられることはあまりないですが、世界全体の気象が「変化」している中では、今後数年単位では、どの国や地域が同じような目に遭うかはわからないわけです。

中央アフリカの洪水の状況についての報道です。





西アフリカと中央アフリカで広範囲にわたる洪水により1,000人以上が死亡、400万人が被災

Widespread floods claim over 1 000 lives, leave 4 million affected in West and Central Africa
watchers.news 2024/09/24

2024年7月以来の異常な集中豪雨により西アフリカと中央アフリカで広範囲に渡る洪水が発生し、少なくとも 1,000人が死亡、400万人が被災した。洪水により 30万戸の家屋が破壊され、50万人が避難を余儀なくされた。熱帯収束帯(ITCZ)の北上により悪化した壊滅的な人道状況により、家屋、学校、医療施設、農地の広範囲に渡って被害が発生し、水系感染症、食糧不安、栄養失調のリスクが高まっている。


West Africa Weekly

7月以来、西アフリカと中央アフリカを襲っている深刻な洪水により、少なくとも 1,000人が死亡し、50万人が避難を余儀なくされ、400万人以上が被災した。洪水により、30万戸の家屋、学校、農地、医療機関が破壊された。

最も被害が大きいのは、カメルーン、チャド、ギニア、マリ、ニジェール、ナイジェリアだ。

家屋や医療施設が破壊されたため、広大な地域で医療へのアクセスが制限されている。世界保健機関(WHO)によると、コレラなどの水媒介性疾患が増加しており、その後の流行の可能性もかなりあるという。

地元メディアの報道によると、一部の地域では死んだヘビやワニが人間の遺体と一緒に浮いているのが目撃されているという。

ナイジェリアでは、現在発生している洪水は過去 30年間で最悪の規模で、国内 36州のうち 15州で 100万人以上が被害を受けており、北部および北東部の州が最も大きな被害を受け、医療施設、学校、農地が浸水している。

WHO によると、ニジェールでも 100万人以上が影響を受けており、マラディ、ザンデール、ドッソ、ティラベリの各地域が最も深刻な影響を受けている。さらに、同国ではアガデス、モラディ、タウア、ザンデールでもコレラの流行が起きている。

マリでは、179,000人以上が影響を受けている。主な課題としては、清潔な飲料水、避難所、衛生キット、必須医薬品へのアクセスの悪さなどが挙げられる。

カメルーン、チャド、ギニアでは、広範囲にわたる洪水被害により、農地、家屋、主要なインフラが破壊または損傷し、何十万人もの人々が緊急援助を切実に必要としている。チャドでは全 23地域が被害を受け、カメルーンでは被災地域で医療サービスが中断している。

この状況は、食糧不足や高い栄養失調率など、この地域ですでに深刻な人道問題をさらに悪化させている。

「洪水の規模と深刻さは前例のないもので、この地域で最も脆弱なコミュニティの一部に悲惨な被害をもたらしている」と、WHO アフリカ地域事務局長マシディソ・モエティ博士を含む保健専門家たちは述べた。

豪雨は 2024年7月に始まり、強さは変化しながらも 9月まで続いた。

気象学者たちは、今後数週間にわたって雨が続き、悲惨な人道的状況が悪化すると予測している。

西アフリカと中央アフリカの気象パターンは、熱帯収束帯(ITCZ)の北上によってさらに影響を受け、例年を上回る降雨量をもたらしている。

一般的に乾燥しているサハラ砂漠は、この変化により異常なほど緑化が進んだ一方、同地域の河川の氾濫により洪水状況が悪化している。







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