疾病と感染症

米CDCが、ワクチンと自閉症の潜在的な関連性についての大規模な調査を計画中

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米ロイターの3月8日の報道

reuters.com




36人に1人が自閉症と診断される社会の中で

アメリカ疾病予防管理センター (CDC)が、「ワクチンと自閉症の間連についての研究を計画している」という情報筋による話としての報道を米ロイターがリリースしていました。

今回ご紹介する、そのロイターの報道もそうですが、現在の一般的な考え方は、「ワクチン接種と自閉症の増加は関係がない」とするものです。

もっとも、自閉症の原因は単一ではななく、さまざまな複雑な要因があるとは思いますが、その中にワクチン、特にアジュバント(添加剤や送達剤など)に問題があるのではないかと考える医学者たちも多いです。

最近の例ですと、脂質ナノ粒子なんかは、確かに、胎内の赤ちゃんの脳発達に良い影響を与えるとは思えません。

昨年には、「妊娠中のワクチン接種後に生まれる自閉症的行動を示す新生児に関する研究」という論文が発表されたこともあります。

妊娠中のワクチン接種後に生まれる自閉症的行動を示す新生児に関する研究。その原因である「海馬と小脳の神経細胞の破壊」の影響は、大人にも適用されるはず
 In Deep 2024年1月14日

この研究は、コロナワクチンを対象にしたもので、「脳の海馬と小脳の神経細胞が破壊される」ことが示されました。

これから脳が発達していく赤ちゃんにとっては良い話ではありません。

あるいは、比較的最近、「幼児期に複数回のワクチン接種を受けた子どもは自閉症を含む神経発達障害のリスクが非常に高くなる」という論文をこちらの記事でご紹介しています。

以下のグラフにありますように、接種群は著しく神経発達障害の率が高くなっています。しかも、これは 9歳の時点での結果です。

9歳のメディケイド児童におけるワクチン接種状況別の神経発達障害のオッズ比

earthreview.net

いずれにしても、アメリカにおいても他の国においても、過去 20年ほどで、自閉症と診断される事例は加速度的に増えています。

以下は、アメリカの自閉症と診断された子どもたちの率です。

2000年に 150人に 1人だったものが、2020年には、36人に 1人が自閉症と診断されています。

米国における現在の自閉症の有病率 (1970年 - 2020年)

TACA

仮に、現在の「普通の」生活の中に自閉症などの神経発達障害を誘発する何らかの原因があるのだとすれば、今後も自閉症の子どもが増え続けていく可能性が高く、国益等を考えても、感情的にならず、淡々と研究をするときではないでしょうか。

ロイターの記事をご紹介します。

先ほども書きましたが、ロイターは、ワクチンと自閉症との関係については否定的です。





独占:米CDC、ワクチンと自閉症に関する研究を計画中と情報筋が語る

Exclusive: US CDC plans study into vaccines and autism, sources say
reuters.com 2025/03/08

広範な科学的研究により関連性が否定されたり、その証拠が見つからなかったりしているにもかかわらず、アメリカ疾病予防管理センター (CDC)はワクチンと自閉症の潜在的な関連性について大規模な調査を計画していると、事情に詳しい 2人の情報筋がロイター通信に語った。

CDCの今回の措置は、過去 10年間で米国が経験した中でも最大規模の麻疹流行の最中に行われたもので、テキサス州とニューメキシコ州で 200人以上の感染者と 2人の死亡者が出ている。この流行は、米国の一部地域で予防接種率が低下したことが原因となっていると考えられている。こうした地域では、予防接種は有益よりも有害であると親たちが誤って信じ込まされている。

CDC への権限も持つロバート・F・ケネディ・ジュニア米国保健長官は、麻疹、風疹、おたふく風邪の 3種混合ワクチン(MMR)の安全性について長らく疑念を抱かせてきた。

先週の閣議でケネディ長官は当初、テキサス州で学齢期の児童が麻疹で死亡したというニュースを軽視し、このような死亡例は 10年ぶりだと述べ、麻疹の流行はよくあることだとし、麻疹予防のためのワクチン接種の役割については触れなかった。

ケネディ氏は先週末、フォックスニュースでワクチン接種の役割を推奨する意見記事を発表したが、同時にワクチン接種は個人の選択であると保護者に伝え、医師に相談するよう促した。

ケネディ氏が CDC の計画中の研究に関与しているかどうか、またそれがどのように実施されるかは不明だ。同氏はコメントの要請には応じなかった。

保健福祉省と CDC は 3月7日の共同声明で、自閉症の発生率が急上昇していると述べた。

「CDC は、何が起こっているのかを正確に解明するために全力を尽くす」と声明は述べた。

「アメリカ国民は質の高い研究と透明性を期待しており、CDC はまさにそれを提供している」

ドナルド・トランプ大統領が CDC 所長に指名したデイブ・ウェルドン博士は、来週、米上院委員会の公聴会に出席する予定だ。一部の上院議員は、ウェルドン博士のワクチンに関する見解に懸念を表明している。ウェルドン博士はコメントを控えた。

メリーランド大学医学部の教授で、CDC のワクチン諮問委員会の元メンバーであるウィルバー・チェン博士は、連邦政府が実施したこのような研究の存在自体が、一般大衆の一部にワクチンに対する疑念を抱かせるのに十分だと述べた。

「これは、調査する価値のある何かがあるというシグナルであり、ワクチンと自閉症の間に何かが起こっているに違いないことを意味する」とチェン氏は語った。

米国では 2000年以降、自閉症の診断が大幅に増加しており、国民の懸念が高まっている。

多くの研究者は、診断件数の増加は、スクリーニングの普及と、症状を記述する行動の範囲が広がったことによるものだと考えている。

しかし、一部の著名人は、ワクチンが原因であるという考えを広めている。この考えは、1990年代後半に英国の研究者アンドリュー・ウェイクフィールド氏が行った、自閉症診断件数の増加と MMR ワクチンの広範な使用を関連付けた研究に端を発している。これは、その後誤りであると否定されている。

自閉症の原因は不明だ。厳密な研究によって、自閉症とワクチンや医薬品、あるいはチメロサールやホルムアルデヒドなどの成分との関連が発見されたことはない。

科学者の間では、その神経学的特徴は胎児の脳が配線される子宮内で発達するのではないかという推測が広まっている。研究では、自閉症は妊娠中の母親の要因と関連があるとされており、出産の合併症やタイミングとの関連を示唆する研究もある。

トランプ大統領は今週の議会演説で、子供たちの自閉症の増加に言及した。

「我々はそれが何なのかを突き止めるつもりだ。そして、ボビーとあなたと共に働いている人々以上に優れた人はいない」とトランプ氏はケネディ氏に言及して語った。

ホワイトハウスは CDC の計画されている調査についてコメントしなかった。

ケネディ氏の反ワクチンの見解は、共和党員の間で懸念を呼んでいる。

ケネディ氏の指名承認公聴会で、ルイジアナ州共和党の医師ビル・キャシディ上院議員は、同候補者がワクチンと自閉症との関連を否定すべきだと示唆した。

ケネディ氏は自身がワクチン反対派であることを否定したが、そのような関連性が否定されたことは認めなかった。

今週、キャシディ氏はトランプ大統領が国立衛生研究所の所長に指名したジェイ・バッタチャリア博士に対し、自閉症と小児期の予防接種との潜在的な関連性の調査に対する姿勢を質問した。

バッタチャリヤ氏は以下のように述べる。

「論文を読んだ限りでは、一般的には関連性があるとは思えない。しかし、自閉症の発症率は急激に上昇しており、その原因を本当に知っている科学者はいないと思う。その答えを得るために、データに基づいた幅広い科学的アジェンダを支持する」







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