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世界で最も危険なスーパーボルケーノのひとつであるイタリアのカンピ・フレグレイで過去40年間で最大の地震が発生

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国立地球物理火山研究所が作成したカンピ・フレグレイの噴火シミュレーションより

open.online




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群発地震の中で過去40年で最大の地震が発生

世界には、噴火すると非常に危険だとされているスーパーボルケーノ(超巨大火山)が多くありますが、その中でも特に危険だとされている超火山があり、それは、おおむね以下のようになっています。

世界で最も危険な火山 10

1位:硫黄島(東京都)
2位:アポヤケ山(ニカラグア)
3位:カンピ・フレグレイ(イタリア)
4位:阿蘇山(熊本県)
5位:トランスメキシコ火山帯(メキシコ)
6位:アグン山(インドネシア)
7位:カメルーン山(カメルーン)
8位:タール山(フィリピン)
9位:マヨン山(フィリピン)
10位:ケルート山(インドネシア)

カンピ・フレグレイは、イタリアの以下の位置にあります。周囲には、エトナ火山やストロンボリなど、わりと頻繁に噴火を繰り返している火山があります。

超火山カンピ・フレグレイの場所

Google Map

このカンピ・フレグレイでは、昨年 9月から10月にかけて、「 1000回以上の群発地震が続く」という出来事がありました。

その際には、特別に噴火に結びつくような徴候はなかったのですが、ただ、この群発地震のときに、「地面が 1ヵ月に 1.5センチずつ上昇している」ことをイタリアの地質学者たちが観測しています。

何らかの地質活動がゆっくりと続いているようなのですが、5月20日、このカンピ・フレグレイで、

「過去40年間で最大の地震 (M4.4)が発生した」

ことが報じられています。

また、過去 48時間で、マグニチュード 2以上の地震が 12回以上発生したようです(これまでのカンピ・フレグレイの群発地震は、ほとんどがマグニチュード 1.0未満です)。

なお、冒頭の写真は、国立地球物理火山研究所が 2001年に作成したカンピ・フレグレイの噴火シミュレーション動画からですが、これは、いわゆる「破局噴火」(カルデラ噴火)を想定しているものだと思われます。

日本でも、九州沖に「鬼界カルデラ」というエリアがあり、神戸大学の巽好幸教授たちのグループは、

「ここで破局噴火が起きた場合、最悪 1億人が死亡する」

と述べていたような事象でもあり、破局噴火は、一般の火山噴火とはまったく異なる威力の事象です。

以下の記事にあります。

(記事)「噴火すれば最悪1億人が死亡と想定」 : 九州南方にある鬼界カルデラの活動の徴候の報道から再び「破局噴火の時代」をおもう
 In Deep 2016年11月20日

破局噴火は、日本の場合だと、おおむね 1万年に 1度くらいの事象であり、滅多に起こるものではないですが、起きるときには起きることもまた事実です。

今回のカンピ・フレグレイ地震が噴火のようなものと関係しているものではないにしても、今も少しずつ何らか地質活動が以前よりやや規模を大きくして続いているようです。

カンピ・フレグレイの地震についての報道をご紹介します。





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群発地震がイタリアのカンピ・フレグレイ超巨大火山を襲う中で、40年ぶりの強い地震が発生

Seismic storm hits Italy’s Campi Flegrei super volcano with strongest earthquake in 40 years
CNN 2024/05/20

イタリア国立研究所によると、マグニチュード 4.4の地震が 5月20日夜、イタリアのカンピ・フレグレイ超火山を襲い、イタリア国立地球物理学火山学研究所(INGV)によると、震源地であるポッツオーリの町や、遠く 20キロ離れたナポリ市にも軽度の被害をもたらしたという。

イタリア消防隊の広報担当者が CNN に認めたところによると、壁に亀裂が入り、壁の装飾などが落下したという。

INGV のデータによると、深さ 3キロで発生したマグニチュード 4.4の地震は、過去 40年間でこの地域を襲った最も強い地震だ。この地震は、過去 48時間以内にマグニチュード 2.0を超える地震が 12回以上発生している進行中の「群発地震」の一部だ。

現地時間午後 8時10分にマグニチュード 4.4の地震が発生し、その 1時間前にマグニチュード 3.5の地震が発生した。

INGV は、2024年 4月にカンピ フレグレイ地域で 1,252回の地震を記録しているが、そのほとんどがマグニチュード 1.0未満だ。

この超火山の最後の大規模な噴火は 1538年で、その結果、イタリア南部の海岸に新しい湾が形成された。 INGV は 2022年以降地震活動が増加していると指摘しているが、火山学者たちによると、これは地表下のマグマの蓄積かガスの蓄積が原因である可能性があるという。

この火山はベスビオ山から約 50キロ離れており、地表下の圧力により地面が隆起したり沈下したりする緩速地震と呼ばれる現象が起きやすい。前回の大きな周期は 1984年だったが、複数の火山学者が CNN に対し、この地域ではこの現象の新たな周期が起きていると語った。

イタリア国民保護局によると、カンピ・フレグレイに隣接するレッドゾーンには 50万人以上が住んでおり、同局は今年、大規模災害発生時の避難計画の更新に取り組んでいる。

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