自然の力

蝶は「強力な電荷を発し花粉を自らのもとへ空中から引き寄せている」ことが判明。花にふれる必要さえナシ

投稿日:


discoverwildlife.com




英国の研究で、蝶は、花粉を集めるために「植物に直接ふれることさえ必要なく、空中から花粉を集めている」ことがわかったと科学メディアが報じています。

蝶は、「静電気」を利用して、数センチ先などから花粉を集める能力を持っているということなのでした。「蛾」もです。

それと、今回ご紹介する記事を読みまして、「ミツバチ」も同様の能力を持っているということが、すでにわかっていることも知りました。ミツバチも「花にふれる必要さえなく、花粉を集められる」ということです。

ちなみに、蝶やミツバチは、日中の花粉の媒介昆虫として知られていますが、「夜」になると、その役割を「蛾」が担当していることを、以前知りました。

以下に英国の研究についてを訳しています。

(記事)「蛾はミツバチよりも効率的な夜間の花粉媒介者である」ことを突きとめた英国の研究
BDW 2023年4月24日

しかも研究だと、昼の蝶より、夜の蛾のほうが効率的に花粉を媒介していることがわかっています。その蛾もまた、ただ花の周りを飛んでいるだけで、花粉を集める能力があるのです。

こういう昆虫たちは、「電気の力を用いて花粉を自分のほうに引き寄せる」という能力を持っているわけで、つまり、花のまわりをヒラヒラ、あるいはブンブン飛んでいるだけでいいということにもなります。

うちのベランダには、蝶やハチがわりと来るのですけれど、見ていますと、結構適当に飛んでいますからね。

しかし、実は、あの適当な飛び方で十分に花粉を集めていると。

ただ、ミツバチの主食は「肉(微生物)」ですので、それは静電気で集められるものではないようで、一生懸命、花の中にハチが頭を入れているのは、微生物を食べるためだと思います。ミツバチが肉食であることについての研究は以下にあります。

[衝撃] ミツバチは花の蜜や花粉を食べているのではない。彼らは食糧としての微生物がいなければ生きていけない「肉食」であることが判明。そのことから、ハチの大量死が「殺菌剤」と関係する可能性が浮上
In Deep 2019年8月31日

ここから、蝶の新しい研究についての科学メディアの記事です。





蝶は強力な電荷を発し、テレキネシスのスーパーヒーローのように花粉を空中に引き寄せることができる

'Electric butterflies' create a charge so strong they can pull pollen through the air like telekinetic superheroes
discoverwildlife.com 2024/07/25


蝶や蛾は飛行中に大量の静電気を集めるため、花粉粒は数ミリメートル、
あるいは数センチメートルの空気の隙間を越えて引き寄せられる。

 

新たな研究により、飛行中の蝶や蛾が作り出す静電場によって、数センチ幅の空気の隙間を越えて花から花粉粒を引き寄せることができることが明らかになった。

英ブリストル大学の研究者たちは、また、蝶や蛾が運ぶ静電気の量は、訪れる花の種類、昆虫が昼に飛ぶか夜に飛ぶか、生息する生息地など、生態の違いによって種ごとに異なることも観察した。

王立協会誌インターフェースに 掲載された新たな研究結果によると、この電界によりミツバチの受粉媒介者としての効率と効果が高まることが示唆されている。

研究に参加した科学者たちは、ミツバチやハチドリなど花を訪れる動物が静電気を利用して花粉を集めることはすでにわかっていたと述べている。

しかし、この静電気による誘引力が、蝶や蛾など同様に重要な花粉媒介者の幅広い範囲に当てはまるかどうかはわかっていなかった。

「私たちはこの考えを検証しようと試みました」とブリストル大学生物科学部の筆頭著者サム・イングランド博士は言う。

「蝶や蛾も電荷を蓄積するかどうか。もしそうなら、この電荷が花から花粉を体に引き寄せるのに十分かどうかを確認しました」

この研究では、5大陸に生息し、それぞれがさまざまな生態学的地位を占める 11種の蝶と蛾 269匹を調査した。これにより、これらの生態学的変数が帯電と関連しているかどうかを比較して判断することができ、その結果、静電気の帯電が進化によって影響を受けるかどうかが明らかになった。

「蝶や蛾は飛ぶときに非常に多くの静電気が蓄積され、花に近づくと文字通り花粉が空気中を吸い寄せられるということが分かりました」と博士は説明する。

「これは、たとえば、ミツバチもまた、受粉するために花に触れる必要すらないことを意味します。ミツバチは受粉者として非常に優秀であり、私たちの花の生態系の機能にとってミツバチがいかに重要であるかを浮き彫りにしています」

では、より広い文脈において、これらの調査結果の重要性は何だろう。

「静電気の帯電を進化の作用する特性として確立することで、自然選択によって動物が蓄積する静電気の量から利益を得たり、損害を受けたりする方法と理由について多くの疑問が浮かび上がるのです」とイングランド博士は言う。

実際の応用に関しては、静電気や花粉媒介者、花粉を人工的に増やす技術の可能性があり、これらはすべて自然環境や農業環境における受粉率を向上させる可能性があると科学者たちは述べている。







-自然の力
-, ,

Copyright© 地球の記録 - アース・カタストロフ・レビュー , 2024 All Rights Reserved.