黒煙を上げて炎上するロシア南部トゥアプセの石油精製所

UNN
「ブラックレイン」
ここのところ、世界中で、石油精製所や電力所などのエネルギー関係の施設で火災や爆発が連続しています。
・この1週間、毎日のように世界中のエネルギー施設で火災あるいは爆発が起きている
地球の記録 2026年4月21日
多くは原因がわかっていないですが、ロシアとウクライナのエネルギー施設の火災に関しては、戦争関連として両国が相手のエネルギーインフラを攻撃していることと関係しています。
そんな一連の攻撃の中、4月20日にロシア南部のトゥアプセという場所にある石油精製施設がウクライナの攻撃により爆発炎上しました。
トゥアプセの場所

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ここは、黒海に面した位置にあり、また周囲にはリゾート地も多い場所でもあります。
この 4月20日の攻撃の後、原油が黒海や周囲の川に流出し始め、そして、黒煙を吐き続ける製油所の煙が大気に流れていく中で、「黒い雨」が降り続けていることが報じられています。
また、強風により、この黒煙での被害を受ける地域が以下のように広がっていることも報じられています。
この黒い雨には、ベンゼン、トルエン、キシレンなどの有毒化学物質が混ざっている可能性があるということで、明らかに体には良くないもので、すでに、鳥の大量死なども起きているようです。
原油が黒海に流出したことや、黒い雨の地域が拡大していることで、大きな環境災害となる可能性が出ています。
現状について、ロシアのモスクワ・タイムズ紙の報道をお伝えします。
黒い雨、有毒な空気、そして鳥の大量死:ロシアの黒海沿岸の町が製油所ストライキで混乱に陥る
Black Rain, Toxic Air and Bird Deaths: Russian Black Sea Town Reels From Refinery Strike
Moscow Times 2026/04/24
大気には有毒ガスが充満し、宇宙からも煙の柱が見える。そして、空からは黒い雨が降り注ぐ。

ロシア南部トゥアプセにあるトゥアプセ製油所から立ち上る煙。
ロシアの黒海沿岸にある人口約 6万人の工業港湾都市トゥアプセでは、ウクライナ軍による地元の石油精製所への攻撃が大規模な火災を引き起こし、周辺環境に石油が流出したことで、ここ数日で終末的な光景が広がっている。
ソチの北西約 80キロメートルに位置するトゥアプセには、ロスネフチが所有する製油所があり、年間約 1200万トンの原油を処理するとともに、ナフサ、燃料油、ディーゼル油の主要輸出ルートとしての役割を果たしている。
この製油所は月曜日 (4月20日)に攻撃を受け、大規模な火災が発生し、石油関連製品が黒海とトゥアプセ川に流出した。
それ以来、住民たちは広範囲にわたる「黒い雨」を目撃し、焦げ臭い匂いや、鳥の大量死も確認したと述べている。多くの人が、屋外で過ごした後に衣服や肌に油っぽい黒い滴が付着したと訴えている。
火災発生から 3日後の木曜日、当局は汚染された煙が広がり続けているため、窓を閉め、屋外での活動時間を制限するよう人々に呼びかけた。
地元住民のナデジダ・ジョサンさんは地元のテレグラムに以下のように書き込んだ。
「どうしたらいいか教えてください。うちの猫 2匹と犬が燃料油まみれになってしまいました。どうやって洗えばいいでしょうか? みんな苦しんでいます。特に犬がひどい状態です。油で洗ってみましたが、効果がありません」
別の住民は、外で遊んだ後に子どもの手が黒く染まっている写真を共有した。
「子どもは庭で 10分間遊んでいました。両手は燃料油で完全に覆われています」と彼女は書いた。
クラスノダール地方知事の諮問委員会のメンバーである環境活動家のエフゲニー・ヴィティシュコ氏は、トゥアプセでの事故を、近年この地域で発生した「最大の環境災害」と評した。
「私の見解では、その影響は 2024年12月にアナパ近郊で発生した燃料油流出事故よりもさらに深刻だ」と彼は地元メディアに語った。
環境保護活動家によると、「黒い雨」は、石油燃焼によって放出された硫黄化合物や窒素化合物が大気中に蓄積し、汚染された降水として地上に降り注ぐことで発生する。この降下物には、すすやベンゼン、トルエン、キシレンなどの有毒化学物質が混ざっている可能性がある。
環境保護活動家のアレクサンダー・エメリヤノフ氏によると、これらへの曝露は肺を刺激し、咳を引き起こし、皮膚や粘膜に火傷を負わせる可能性がある。長期間の曝露は、がんや神経障害のリスクを高めるという。
目撃者たちは、燃料油まみれになった水鳥の写真や動画も投稿している。
「鳥たちはみんな燃料油まみれで、羽がくっついてしまっている。まともに飛んだり動いたりすることもできない。近づいても反応しない鳥もいる」と、ある住民はトゥアプセ近郊の海岸で撮影されたとされる映像を共有しながら書き込んだ。
エメリヤノフ氏は、希少種を含む水鳥は、石油流出事故に対して特に脆弱であると述べた。
地元のボランティアたちは現在、被災した動物たちの救助活動に取り組んでおり、洗浄ステーションや仮設シェルターを設置した後、鳥たちをアナパのリハビリセンターに移送している。

ボランティアが、油流出事故の影響を受けたクロエリヒメウミツバメを洗っている。
トゥアプセ製油所への度重なる攻撃により、黒海に7キロメートルに及ぶ油膜が広がった。10平方キロメートルに及ぶこの油流出を受け、当局は非常事態宣言を発令した。
地域当局者によると、大雨によりトゥアプセ川が増水し、石油製品が事前に設置されたオイルフェンスを越えて下流の黒海に流れ込んだという。
クラスノダール地方の作戦本部によると、石油製品は川底のさらに下流、および汚染が海岸にまで達した海岸線の一部で回収されているとのことだ。
クラスノダール地方を拠点とする環境保護活動家が匿名を条件にモスクワ・タイムズ紙に語ったところによると、燃える石油から発生する汚染された空気は、南西の風によってスタヴロポリ、アストラハン、ヴォルゴグラードなどの近隣地域に広がる可能性があるという。
「当局は現在、非常事態省から利用可能なあらゆる資源を動員して消火活動にあたっている」と彼は述べた。「しかし、海にはまだ油膜が残っている。衛星画像には、海上救助隊の船舶が油を除去している様子が映っている。だが、状況に対処するには船舶の数が圧倒的に不足している」
ウラジーミル・プーチン大統領は、今週予定されている会合や式典において、この災害について公にコメントしていない。
ウクライナはここ数週間、ロシアの石油インフラを攻撃し、ロシアの燃料輸出収入を弱体化させようとしている。燃料輸出収入は、ロシアの戦争資金の主要な源泉であり、米イスラエルとイランの戦争によって世界的なエネルギー価格が高騰する中で、ウクライナにとって重要な資金源となっている。
当局は、大気中の有害物質濃度は許容レベルを超えていないと述べたものの、非常事態宣言が発令され、学校は休校となった。


