サウスジョージア島
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続くゾウアザラシの歴史的な大量死
南米と南極の間に位置する海域にあるサウスジョージア島で、
「ゾウアザラシのコロニーで繁殖期のメスが鳥インフルエンザにより 47%減少したことを記録した」
ということを、スミソニアン・マガジンが伝えています。
サウスジョージア島の位置
Google Map
これは、ドローンで撮影した個体数の調査からの数の増減で、「死因」については、鳥インフルエンザとされていますが、実際のところは、現地での調査が行われているわけではないですので、明確ではないです。
追記:その後調べましたところ、死骸のサンプリングで H5N1 の遺伝子が確認されたそうで、死因が知りインフルエンザだということは原因として確定しているようです。
このあたりの海域では、ここ 2、3年、アザラシ類の大量死が相次いでいまして、2024年1月には、「アルゼンチンの海岸で鳥インフルエンザとされる原因で子どものゾウアザラシの96%が死亡」したことが報じられています(翻訳記事)。
なぜ、アザラシ類の大量死だけが目立つのかはよくわからないですが、確かに、H5N1型の鳥インフルエンザの鳥やアザラシ類の大量死が最近目立っていることは事実のようです。
まあ、哺乳類に感染可能なら、他の動物にも感染可能ということも言えるのかもしれないですが、そのあたりまではわかりません。
いずれにしても、ゾウアザラシは「海の捕食者の頂点」とされているそうで、生態系への影響は大きくなる可能性があります。以下は、スミソニアン・マガジンの報道です。
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ドローン画像によると、鳥インフルエンザにより世界最大のゾウアザラシのメスのほぼ半数が死滅したとみられる
Bird Flu Wiped Out Nearly Half of the Females in the World’s Largest Elephant Seal Population, Drone Images Suggest
Smithsonian Magazine 2025/11/18
科学者たちは、鳥インフルエンザの流行後、サウスジョージア島の3つの最大のゾウアザラシのコロニーで繁殖期の雌が47%減少したことを記録した。島全体に当てはめると、5万頭以上のゾウアザラシが失われる可能性がある。
2023年、鳥インフルエンザが南大西洋の孤島に到達した。そして今、世界最大のミナミゾウアザラシの生息地であるサウスジョージア島は様変わりしてしまった。
島の 3つのアザラシのコロニーをドローンで撮影した画像によると、2023年に H5N1 型ウイルスが侵入して以来、繁殖期のメスの個体数が 47%減少したとみられる。
2022年と 2024年のアザラシの個体数を比較したこの研究結果は、 11月13日付の学術誌「コミュニケーションズ・バイオロジー」に掲載された。
「予想していたよりも厳しい状況が描かれている」と、論文の筆頭著者で、英国南極調査局の海洋生態学者であるコナー・バンフォード氏はニューヨーク・タイムズのエミリー・アンセス氏に語った。
これら 3つのコロニーは、島のゾウアザラシ個体群の推定 16%を占めている。研究者たちは、これらの集団で見られる傾向をスケールアップすると、サウスジョージア島全体で約 5万3000頭のメスが 2024年の繁殖期を逃した可能性があると推定している。
「死亡率が通常レベルをはるかに上回っていることは認識していたが、この前後の比較によって初めて、その深刻さがわかった」とバンフォード氏は、ガーディアン紙のフィービー・ウェストン氏に語った。長期的には、この損失は「個体群に劇的な影響を与えるだろう」と彼は付け加えた。
H5N1型鳥インフルエンザは 1996年に初めて家禽類の水鳥で検出されて以来、ウイルスは変異し、野鳥や哺乳類への感染力が強まっている。現在、世界中で鰭脚類をはじめとする野生生物に猛威を振るっている。
2023年には、 チリで 1万1000頭以上の アシカ、ペンギン、イルカなどの動物が鳥インフルエンザで死亡した。
アルゼンチンのバルデス半島では、2023年に推定 1万7400頭のアザラシの子がウイルスで死亡した。これは、同地域の子アザラシの個体数の約 97%に相当する。南極の動物も H5N1 型ウイルスに感染したことがある。最近の調査では、研究者たちが南極半島で 9種の鳥類と 4種のアザラシからウイルスの証拠を発見した。
専門家たちは、H5N1は研究者が想定しているよりもさらに多くの動物に影響を与えた可能性があると述べている。
「大量死は目に見える形で現れるが、鰭脚類(アシカ科、アザラシ科、セイウチ科など)に対するウイルスの影響の全容を反映するものではない可能性がある」と、カリフォルニア大学デービス校の獣医病理学者エリザベス・アシュリー氏は BBC に語った。
「多くの鰭脚類は観察やアクセスが容易ではないため、場所によっては集団的あるいは散発的な死亡が検知されていない可能性も十分にある」
グラスゴー大学のウイルス学者エド・ハッチンソン氏は、研究者たちはこのウイルスが南極大陸や、南極大陸のすぐ外側にあるサウスジョージア島などの島々に生息する他の哺乳類や鳥類にどのような影響を与えるかまだ分かっていないと、同メディアに対し述べた。
「私たちにできるのは、ただ待って見守ることだけです」
科学者たちは、島内外における膨大な数の鳥の損失が他の野生生物にどのような影響を与えるかについてもまだ分かっていない。
「これほど大量の鳥を除去すれば、生態系のバランスが完全に崩れてしまう」と、 カリフォルニア大学デービス校の野生生物獣医で、南米で鳥インフルエンザの研究を行っているマルセラ・ユーハート氏は BBC の取材に答えた。
ゾウアザラシは海の頂点捕食者であり、重要な「海の肥料」として機能しているとユーハート氏は付け加える。彼らは水面を泳ぎながら排泄物から栄養分を拡散させる。「海において、ゾウアザラシに代わる生物は他に存在しない」