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目玉を持つ悪夢のような有毒植物が米国全土に蔓延しているという報道

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「人形の目玉」の呼び名を持つホワイト・ベインベリー

dailymail.co.uk




しかしアメリカ先住民たちは医療用として使っていたという…

デイリーメールが、「致命的な目玉を持つ悪夢のような有毒植物が米国全土に蔓延していることに対しての緊急警告」という物騒なタイトルの記事をリリースしていました。

それは冒頭の写真の植物で、ホワイト・ベインベリーという植物です。

白い果実の部分が目玉のよう見えるということでの「目玉を持つ悪夢のような有毒植物」という表現なのでしょうが、冒頭の写真ではそれほどの迫力は感じませんが、しかし、同じホワイト・ベインベリーでも以下のような状態になると、なるほど確かに迫力があります。

このベインベリーは、かなりの有毒植物だそうで、「森などで見つけても決して食べないでください」という警告なのですが、

「こんなの食べるやつはいないだろ」

とは思います。

そうは思いますけれど、ヨーロッパでは、これを食べて子どもが死亡した事例が数件あるようです。

ちなみに、日本には分布していません。

興味深かったのは、この有害植物であるベインベリーは、かつてのアメリカ先住民の時代には医療用に使われていたとのことで、ヘビに噛まれたときの治療や月経不順、風邪や咳、便秘の治療薬などの治療に使われていたのだとか。主にお茶として用いていたようです。

ちなみに、このアメリカ先住民は、医療用(消毒と病気や疲労の予防)としてタバコの栽培をおこなっていたことが 2004年のこちらの論文にあります(私はニコチンに関しての資料論文を個人的に収集しているのです)。

昔の人々は、「今は毒」とされている多くのものを医療用としてうまく使っていたようです。

デイリーメールの記事です。





致命的な「目玉」を持つ「悪夢のような」有毒植物が米国全土に蔓延していることに対しての緊急警告

Urgent warning over 'nightmarish' poisonous plant with deadly 'eyeballs' spreading across the US
Daily Mail 2024/10/19

ハイカーたちは、ハロウィーン映画に出てきそうな危険な「悪夢のような」植物に注意するよう呼びかけられている。

これはホワイト・ベインベリーという種で、その実が目玉に不気味に似ていることから「ドールズアイ」と呼ばれ、秋になると森林地帯や林に広がる。

原産地はアメリカ東部、中西部、 カナダだが、ほとんどの生育環境に適応し、全米のほとんどの州で見られる。

専門家たちは、根から果実に至るまで、この植物のあらゆる部分が極めて有毒であり、摂取すると深刻な副作用を引き起こし、極端な場合には死に至ることもあると警告している。

「ベインベリー」という言葉は古英語の「bana」または「bona」に由来し、「殺害者」または「殺人者」と訳される、とインディアナ在来植物協会は説明した。

報告書はさらに、主に森林や湿地帯に生育するベインベリーを人間が食べると、めまい、せん妄、幻覚、心停止、循環不全などの症状が起こる可能性があるとしている。

その他の症状としては、胃腸炎、嘔吐、胃痛、口や喉の灼熱感、頭痛、けいれんなどがある。

単に植物に触れるだけでは通常は無害だが、敏感な人の場合は接触により皮膚炎を引き起こす可能性があると協会は付け加えた。

果実と根は植物の中で最も有毒な部分だ。

インディアナ原産植物協会は、このベリーをたった 6個食べるだけで、重篤な病気や死を招く可能性があると警告している。大人よりも子どもの方が被害を受ける可能性が高い。

その毒性はラナンキュリンと呼ばれる化合物に関連している。

コロラド州立大学によると、ラナンキュリンは植物の中で刺激性の油になる。

米国ではベインベリーに関連した死亡例や重篤な病気の報告はないが、公園管理局、政府機関、植物学の専門家たちは、この植物がもた​​らす危険性について定期的に警告を発している。

国立公園局はフェイスブック上でこの植物に関する警告を発した。

同局は人々に「不気味な目玉のような美しさ」を持つこの植物の果実を食べないよう呼びかけた。

コロラド州立大学によると、ユーラシア原産のこの植物が数人の子どもの死亡と関連しているという。 「目立つ赤や白のベリーを食べた子供が死亡したという記録がヨーロッパで発見されている」と大学は述べた。

ベインベリーは一般的に 7月から 10月にかけて開花する。

ホワイト・ベインベリーの植物は、高さ約 90cmまで成長する。

ベインベリーは有毒であるにもかかわらず、ネイティブアメリカンの文化では薬用として使われてきた。

ハーブ系のサイトによると、ベインベリーのジュースは「ヘビに噛まれたときなどに効く貴重な治療薬」と考えられていた。

また、他のハーブ系サイトによると、ベインベリーの一部はお茶にして月経不順や産後の痛みの治療に使われていたという。

風邪や咳の治療や、便秘の治療薬としても使われていた。







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