金は、そのほとんどは核の中にあることが判明。 iflscience.com
下にあるものは上にあるもののごとく、上にあるものは下にあるもののごとく
最近のドイツの科学者たちによる研究で、
「金(ゴールド)や貴金属のほとんどは地球の核に存在しており、それが少しずつ漏れ出したのが、地球表面にある金や貴金属である」
ということを突き止めたことが報じられていました。
研究はネイチャーに掲載されています(この論文だけを読んでも、何が書かれてあるのだか全然わからないですが)。
今回は、それを取り上げていたサイエンス・アラート誌の記事をご紹介しますが、その中に、
> 地表で見つかる重金属のうち、どれだけが中心核からで、どれだけが宇宙から来ているのかは不明だった。
とありまして、つまりは、
「地球に存在する金や重金属類は、地球内部か、あるいは宇宙から来たものだけ」
となるようです。
思い出しますのは、もう 14年くらい前の記事ですが、 In Deep の「あらかじめ予測されていた小氷河期の到来(2) 」という記事で、以下のように書いたことでした。
2011年11月09日の In Deep より
…ところで、火山の噴火はいつでも「悪いもの」としてばかり取り上げられます。
しかし、「上なるものは下のごとく」で有名なヘルメスのエメラルド板(エメラルド・タブレット)を知ってから、私はその考え方を変えつつあります。
上のリンクの記事で訳した中に「この世界の創造の秘密」の中に、
それは地上から天へ昇り、また再び地へと戻り生まれ変わる。
そして、上のものと下のもの両方の力を身につける。とあります。
In Deep のいくつかの記事などでは「上のほうから来るもの」についてはイヤというほど取り上げています。
宇宙から降りてくる、降ってくる、いろいろなもののことです。
では、下からは?
下から「来る」ものが上からのものと同じように存在しなければ、この世は成り立ちません。
下からのもの。
つまり、地球内部から地上へ向けて物質が大放出される大きなイベントがあります。
それが噴火です。
私の噴火に対しての考え方は、このようになります。
宇宙からは、隕石や小惑星や彗星などが、まれに地球に衝突しますが、これらの天体の衝突は、莫大な被害をもたらす可能性があると共に「さまざまな鉱石類を地球上にもたらす」ことも事実です。
巨大な火山噴火も、大きな被害を出すこともありますが、このように、金や貴金属類を地表にもたらします。
地球とはそういう場所のようです。
ここから、サイエンス・アラートの記事です。
地球の中心核には膨大な量の金が埋蔵されており、それが地表に向かって漏れ出ている
Earth's Core Holds a Vast Reservoir of Gold, And It's Leaking Toward The Surface
sciencealert.com 2025/05/26
地球の中心核から金属が漏れ出ている様子を示す図。
地球の中心核には金 (ゴールド)が豊富に含まれており、それがマントルを通って地殻に漏れ出ていることが新たな研究で明らかになった。
リソスフェア (地表から上部マントルの低速度層の始まる深さまでの比較的硬い層)の深部から滲み出た火山岩で見つかった同位体の新たな研究により、金を含む地殻中の貴金属が、対流するマグマに乗って地表までの長い旅を始める前に、まず核から漏れ出ていたことが明らかになった。
ドイツのゲッティンゲン大学の地球化学者ニルス・メスリング氏は以下のように語る。
「最初の結果が出た時、文字通り金鉱を掘り当てたと実感しました」
「私たちのデータは、金やその他の貴金属を含む物質が地球の中心核からマントル上部に漏れ出ていることを裏付けたのです」
地球の地殻には金が埋蔵されているが、その量は地球全体の総量からするとごくわずかと推定されている。
地球はまるで龍のように、その金の大部分を蓄えている。研究によると、99%以上が地殻の金属核に存在し、これは、地球上の陸地全体を厚さ 50センチメートルの金で覆うのに十分な量だ。
地球の形成過程において、より重い元素は地球の柔らかい内部を沈み込み、最終的に分化した核に閉じ込められた。この過程は鉄カタストロフィーとして知られている。その後、隕石の衝突によって、より多くの金や重金属が地殻に運ばれた。
原始ヘリウムと重鉄同位体が地球の中心核から漏れ出ているという確かな証拠はあるものの、地表で見つかる重金属のうち、どれだけが中心核からでどれだけが宇宙から来ているのかは不明だった。
しかし、調べる方法はあった。ルテニウムと呼ばれる貴重な重金属の同位体だ。同位体とは、同じ元素でありながら中性子の数が異なるもののことをいう。
地球の中心核に含まれるルテニウムの同位体は、地表のルテニウムとはわずかに異なる。その差はこれまで検出するには小さすぎたが、メスリング氏とその同僚たちは新たな分析技術を開発し、その差を解明することらに成功した。
研究チームは、ハワイ諸島の火山岩から採掘されたルテニウムを、この新しい手法で研究し、周囲のマントル中に存在する量よりもはるかに高い量のルテニウム100を発見した。これは、地球の中心核に起源を持つルテニウムの同位体だ。
この発見は、地球がまだ若く、中心部まで溶融していた時代に核へと移行した親鉄元素がすべて核から漏れ出ていることを示唆している。これにはルテニウムはもちろんのこと、パラジウム、ロジウム、プラチナ、そして金といった元素も含まれる。
それは特に高い速度で出現するわけではなく、また、 2,900キロメートル掘り下げれば見つかるというわけでもない。むしろ、この発見は、私たちの地球、そしておそらく他の岩石惑星についても、新たな何かを教えてくれているのだろう。
「私たちの研究結果は、地球の核がこれまで考えられていたほど孤立したものではないことを示しているだけではありません」とドイツ・ゲッティンゲン大学の地球化学者マティアス・ウィルボルド氏は言う。
「私たちは今、膨大な量の過熱されたマントル物質(数千京トンの岩石)が核マントル境界で発生し、地球の表面に上昇してハワイのような海洋島を形成していることも証明できます」
この研究は Nature誌に掲載された。