米 CDC (疾病予防管理センター)の「ワクチン有害事象報告システム / VAERS」のデータの最新情報を定期的にご紹介しています。
前回分は以下になります。
[定期]アメリカの8月20日までのワクチン接種後の有害事象報告は 62万件、死亡例は 1万3627件
以下は、現時点で最新の CDC の有害事象報告データです。
有害事象の全体の報告数、死亡報告数、重症報告数のそれぞれの前回からの 1週間の推移は以下のようになります。
・有害事象報告 62万3,343件 → 65万0,077件(前週から 2万6,734件増加)
・死亡事例報告数 13,627件 → 13,911件(前週から 284件増加)
・重症事例報告数 8万4,466件 → 8万5,971件 (前週から 1,505件増加) データ
まず、若い世代の有害事象報告です。
十代の有害事象と死亡事例
・12歳から17歳の有害事象報告 12,894件(データ) 前回 12,249件
・12歳から17歳の重症事例 912件 (データ) 前回は 872件
ワクチン接種年齢の下限が 12歳まで変更されたことに伴い、「 9- 12歳」の有害事象報告が増加し続けています。
・9歳から12歳の有害事象報告 627件(データ) 前回は 591件
以下は、12歳から17歳の重症の事例の報告数と、死亡事例です。
・12歳から17歳のアナフィラキシー事例報告 2,183件 (データ) 前回は 2,096件
・12歳から17歳の心臓障害の事例報告 374件 (データ) 前回は 361件
・12歳から17歳の血液凝固障害の事例報告 75件 (データ) 前回は 67件
・12歳から17歳の「死亡」事例報告 15件 (データ) 前回は 14件
12歳から 17歳の死亡事例が 1人増えて、15件となっています。
以下は、 12歳から17歳のアメリカでの死亡事例の詳細です。ID 番号のリンク先に詳細な個別臨床データページがあります。
2021年8月27日までの12歳から17歳の 15人の死亡事例詳細
・15歳 / 女性 / ニューハンプシャー州
[症状]アナフィラキシー反応、心停止
[接種から死亡まで] 1日 (ID 1187918)・16歳 / 女性 / ウィスコンシン州
[症状]心停止
[接種から死亡まで] 11日 (ID 1225942)・15歳 / 男性 / コロラド州
[症状]心不全
[接種から死亡まで] 2日 (ID 1242573)・16歳 / 男性 / カリフォルニア州
[症状]死亡(原因不明)
[接種から死亡まで] 48時間以内 (ID 1382906)・16歳 / 男性 / ジョージア州
[症状]胃腸穿孔、状態悪化、死亡
[接種から死亡まで] 4日 (ID 1386841)・13歳 / 男性
[症状]インフルエンザ様疾患、死亡
[接種から死亡まで] 2日 (ID 1406840)・16歳 / 女性 / ペンシルベニア州
[症状] 胸痛、血球貪食性リンパ組織球症、心嚢液貯留、長期入院、死亡
[接種から死亡まで] 73日 (ID 1420630)・13歳 / 男性 / ミネソタ州
[症状] 小脳出血、 心停止、死亡
[接種から死亡まで] 17日 (ID 1431289)・13歳 / 男性
[症状] 死亡
[接種から死亡まで] 不明 (ID 1463061)・13歳 / 男性
[症状] 心臓肥大、 心筋炎、死亡
[接種から死亡まで] 0日 (ID 1429457)・16歳 / 男性 / カリフォルニア州
[症状] 死亡
[接種から死亡まで] 27日 (ID 1466009)・16歳 / 男性 / ペンシルベニア州
[症状]死亡
[接種から死亡まで]6日 (ID 1475434)・15歳 / 男性 / ニューヨーク州
[症状]失神、心室性頻脈、死亡
[接種から死亡まで]4日 (ID 1498080)・13歳 / 女性 / メリーランド州
[症状]心室頻拍、死亡
[接種から死亡まで]27日 (ID 1505250)・16歳 / 男性
[症状]自死
[接種から死亡まで]8日 (ID 1576798)・15歳 / 女性
[症状] 無力症、脳死、心停止
[接種から死亡まで]27日 (ID 1592684)
次に全体です。
全体の有害事象事例
毎回見ている「ベル麻痺(顔面麻痺の一種)」「流産、早産」「アナフィラキシー反応」は、以下のようになっています。
・ベル麻痺(顔面神経麻痺) 5,057件(データ) 前回 5,002件
・流産・早産・死産 1,629件 (データ) 前回 1,600件
・アナフィラキシー反応 166,543件(データ)前回 159,857件
「血栓、血液凝固あるいは血小板減少」の報告は以下のようになっています。
・血栓 / 血液凝固 / 血小板減少 17,830件(データ) 前回 17,544件
ギランバレー症候群は以下のようになっています。
・ギランバレー症候群 986件 (データ) 前回は、964件
ギランバレー症候群のメーカー別の発生数は、
ファイザー社 547件
モデルナ社 233件
ヤンセン社 191件
となっています。
アメリカの新たな感染確認数は、7日移動平均では過去最大に達していないですが、日々の記録では、ここ数日で過去で最も感染数の多かった今年 1月の数を何度か更新しています。
8月27日には、過去最大の 32万2934人の感染確認数が記録されています。
Daily new confirmed COVID-19 cases / US
このアメリカでは、二度の完全なワクチン接種をした数は 1億7400万人に達し、全人口の 50%を超えました。
多くの国で人口の 50%の接種が超えて数カ月後から感染拡大が止まらなくなる傾向がありますので、今後、秋から冬に向かうと共にアメリカもまた、感染数、死者数ともさらに増加していくことになりそうです。
アメリカと共に、早くからのワクチン接種が進み、現在ブースターショット(追加接種)が進んでいるイスラエルは泥沼に陥っていて、現在毎日のように過去最高の感染者数を更新中です。
Daily new confirmed COVID-19 cases / Israel
同じようなワクチンの展開をしている他の国々が同じような経過をたどるのかどうかは今はわからないですが、普通に考えれば、他国で起きていることが、他の国で起きないという道理はないですので、ある程度は同じようになると思われます。
日本はまだ全体の完全なワクチン接種率が 50%に届いていませんので、感染の劇的な拡大はまだ数カ月先だと思います。