動物の異常 疾病と感染症

カナダの11歳の少年が、顔にコウモリが乗っていることに気づき目を覚ました後、狂犬病で死亡した

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カナダの11歳の少年が、コウモリに接触した後、目に見える噛み傷がなかったにもかかわらず、狂犬病で死亡した。
independent.co.uk

 

気づくとコウモリが顔の上にいた

カナダで、コテージで休日を楽しんでいた家族のうちの 11歳の少年が、「夜中に眠っていたとき、顔の上にコウモリが乗っていた」ことに気づいた後、その少年は、数週間後に狂犬病を発症して死亡した、という医学報告が出されています。

傷跡や、引っかかれたような痕跡も見当たらなかったとのこと。

17日間入院した後に亡くなったということです。

この出来事そのものは、2024年のものですが、今年 6月のカナダ医師会誌に掲載された報告書による明らかになったそうです。

「コウモリの群れに襲われた」というようなことではなく、ただ顔の上に乗っていたというだけで狂犬病に曝露して発症して死亡してしまうというのは、かなり衝撃的ですが、そういう事例であるようです(いろいろな詳細がわからない部分はありますけれど)。

カナダ・オンタリオ州

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世界的に狂犬病が増加しているのかどうかは、詳細なところは不明ですが(狂犬病の流行がある地域は、正確なデータが出ない場所も多いためかもしれません)、たとえば、中国では、2025年に狂犬病の症例が急増していることが報じられていました。

中国で狂犬病の症例が急増中。2020年以来の過去最大に。2025年の死亡率は95%
地球の記録 2026年1月28日

厚生労働省によると、世界では毎年約 6万人(1日数万人規模)が狂犬病に曝露し、その結果として年間約 5万9千人が狂犬病で命を落としていると推計されているそうです。

狂犬病は、発症した場合、致死率はほぼ 100%です。

ただ、狂犬病に曝露する地域は、9割以上がアジアとアフリカ地域に集中していまして、今回のような北米での事例、特にカナダでは珍しいです。

狂犬病にについていえば、世界での主な曝露は「犬」によるものですが、北米ではコウモリによる曝露が多いとのことです。

一応、犬などに噛まれた後に、「暴露後ワクチン接種」をすれば、今のところは、ほぼ 100%発症を防ぐことができると言われています。

なお、過去に狂犬病のワクチンを打ったことがあるとしても、「抗体が維持される期間は、おおむね 1年から 3年だそう。それ以降は、抗体の量は大きく減少します。

私の友人に、小学生の頃…まあ、東京生まれの人なんですが、東京で犬に噛まれて、暴露後ワクチン接種をしたことがあると言っていましたけれど、それは 40年以上前ですので、今は抗体はもうないでしょうね。

ただ、医学サイトによると、

> 血液中の抗体は消えるが、白血球の一種である記憶細胞(B細胞など)には、かつて狂犬病の成分と戦った免疫の記憶が半永久的に残り続ける

のだそうで、まあ、これが、致死率の低下と結びつくのかどうかはわからないですが。

いずれにしても、狂犬病が流行している地域に行く方は、いろいろと知っておくのもいいですね。

カナダの狂犬病についての報道です。


カナダの11歳の少年が、顔にコウモリが乗った状態で目を覚ました後、狂犬病で死亡した

11-year-old boy in Canada dies from rabies after waking up with a bat on his face
livescience.com 2026/07/03

11歳の少年が狂犬病で死亡したことを受け、医師らは、目に見える引っかき傷や噛み傷がなくても、コウモリに接触した場合は必ず医療機関を受診するよう一般市民に呼びかけている。


ミネソタ州南部で撮影されたギンイロコウモリ。ギンイロコウモリは、カナダにおける狂犬病症例の大部分の原因となっている。

カナダのオンタリオ州で、11歳の少年が寝ている間に顔に止まっていた狂犬病のコウモリに噛まれ、死亡した。担当医師によると、少年には目立った噛み傷や引っ掻き傷はなく、事件後 19日間は症状も現れなかったという。

2024年、オンタリオ州北部のコテージで両親と休暇を過ごしていた少年は、夜中に鼻と口にコウモリが乗っていることに気づいて目を覚ました。これは、 6月29日にカナダ医師会誌に掲載された報告書によるものだ。

父親は調理鍋でコウモリを捕まえ、外に放した。子供に目立った怪我はなく、コウモリも特に攻撃的ではなかったため、両親は医療機関を受診させないことにしたと報告書は述べている。

数週間後、その子供は顔の右側にチクチクとした感覚、しびれ、腫れを感じ始めた。地元の病院で診察を受けたところ、心拍数と白血球数の上昇を除けば、バイタルサインは正常だった。

翌日、少年の症状は悪化した。顔の右側の感覚がなくなり、ろれつが回らなくなった。病院で待機している間、発熱、錯乱、幻覚、嚥下困難が現れ、その後、唾液の過剰分泌が見られた。

オンタリオ州ハミルトンのマクマスター小児病院の集中治療室で 4日間治療を受けた後、この子供は狂犬病の検査で陽性反応を示し、5日後には脳幹反射が消失し、脳幹機能が完全に失われたことが判明した。入院から 17日後、家族と医療専門家との協議を経て、生命維持装置が外され、死亡した。

アメリカ疾病対策センター(CDC)によると、狂犬病は主に中枢神経系に影響を与えるウイルス性疾患だ。少年の担当医によると、狂犬病は主に感染した動物に噛まれたり引っ掻かれたりすることで感染し、北米ではコウモリが症例の大部分を占めている。

「コウモリは、咬傷や引っ掻き傷が小さく見落とされやすく、患者がコウモリに接触したことを覚えていない、あるいは認識していない可能性があるため、特に危険だ」と医療チームは報告書に記している。

2013年の『ウイルス学ジャーナル』に掲載された報告によると、カナダにおける狂犬病症例の大部分は、ギンイロコウモリが原因となっている。スカンク、キツネ、アライグマもまた、しばしばこの病気を媒介する。

狂犬病ウイルスは症状が現れる前に脳に到達した場合、いったん症状が現れると、感染はほぼ 100%致死的で、ほとんどの死亡例は症状発現後 1~ 2週間以内に発生する。

しかし、CDC によると、感染後すぐに傷口の洗浄、抗体投与、一連のワクチン接種などの治療を行えば、ほぼ確実に狂犬病の発症を防ぐことができる。

北米では狂犬病は極めてまれで、CDC によると、米国では毎年 10人未満の死亡例しか報告されていない。

カナダ獣医師会によると、カナダでは 1924年以降、わずか 28人の死亡例しか報告されていない。それでもなお、少年の担当医は、コウモリやその他狂犬病を媒介する可能性のある動物に接触した後は、速やかに医療機関を受診することの重要性を強調している。

「狂犬病予防において、早期の曝露認識と適切な曝露後予防(PEP)の実施は、依然として唯一効果的な手段である」と彼らは記している。

「目に見える咬傷や引っ掻き傷がなくても、コウモリとの直接的な接触は、曝露後予防の適応となる」

彼らは、狂犬病に感染したコウモリは、攻撃的な行動や口から泡を吹くなど、狂犬病によく見られる典型的な症状を必ずしも示すとは限らないと付け加えた。「コウモリと人間が直接接触することは、いずれも高リスクである」と彼らは述べた。

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