地球の記録 – アース・カタストロフ・レビュー

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ブラジルの吸血コウモリたちが、「人間の血液をエサ」にし始めていることが DNA 調査により判明

   

ニューサイエンティストの記事より

newscientist.com

ブラジルに生息する吸血コウモリ。彼らは、これまでは鳥や動物の血を吸うことはあっても、人間の血を食糧とすることなかった、あるいは体内の構造上、哺乳類の血液を摂取・消化することはできないと考えられていたのですが、最近の調査で、「吸血コウモリがヒトの血を吸っている」ことが判明したことが報じられています。

そのコウモリは、学術名デスモドゥス・エカウデータ( D. ecaudata )という種類で、ブラジルのジャングルには一般的に生息するもののようです。

D. ecaudata

このコウモリは、これまでの研究で、「鳥の血」しか吸わず、哺乳類の血液は一切摂取できないとされていましたが、最近の調査では、その糞の DNA から「人の血の痕跡」が検出され、何らかの変化を起こした可能性が考えられています。

人間をエサにできるのであれば、ジャングルだけではなく、都市部でもどこでも生きていけますので、ある種の「進化」なのかもしれません。

今回は、科学メディア「ニューサイエンティスト」に掲載された、このことに関する記事をご紹介しようと思います。

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Wild vampire bats are now sucking blood from humans at night

野生のコウモリが今、人間の血を吸うようになり始めた

 New Scientist 2017/01/11

 

人間の血液が彼らのメニューに載り始めている。

彼らとは、ブラジルの野生の吸血コウモリで、これまで、このコウモリたちは、ジャングルに住む鳥の血だけを摂取して生きていると考えられていたが、最近の調査で、人間の血をエサにしていることが初めて判明し、それと共に、公衆衛生上の懸念も台頭し始めている。

ブラジルのレシフェにあるペルナンブコ連邦大学のエンリコ・ベルナルド(Enrico Bernard)氏と、彼が率いる研究チームは、ブラジル北東部のカテンバウ国立公園に生息する毛むくじゃらの吸血コウモリ「 D. エカウデータ (D. ecaudata)」のコロニーから 70の糞のサンプルを採取し、分析した。

研究者たちは、その中の 15の糞から DNA を採取することができたが、そのうち 3つの糞の DNA から、人間の血液の痕跡が見つかったのだ。

ベルナルド氏は以下のように述べる。

「私たちはこの結果にかなり驚きました。というのも、この種のコウモリたちは、哺乳類の血液を摂取することに適応していないからです」

このコウモリたちは、通常は、夜間に大きな鳥を狙い、その血をスプーン一杯ほど吸う。

コウモリたちは、鳥の血液の主成分である脂肪を処理できるが、哺乳類の高タンパク質の血液を体内で処理することはできないとされてきた。これまでの実験では、ブタとヤギの血液だけしか手に入らない状況になった場合、コウモリたちの多くは何も食べない行動を選択し、時にはそのまま餓死してしまった。

しかし、コウモリたちは、これまでとはちがう「新しい血」を食べて生きるための行動に出ている可能性がある。

コウモリたちが生息するカテンバウ国立公園は、人間が住み始めるようになってから、これまでコウモリのエサとなっていた獲物の鳥の数が減っており、このことも関係しているかもしれない。

ベルナルド氏は、「コウモリたちは、環境に適応し、新しい食糧を探して、それによって生きるようになっているのです」と述べる。

しかし、コウモリたちのこの新しい習慣は、人間の社会に病気を広げる可能性があることが懸念されている。

吸血コウモリは狂犬病を媒介する生き物であり、ブラジルではしばしば、コウモリによる狂犬病の発生がある。

また、これまでの研究で、これらのコウモリがハンタウイルスを持っている事例があることが判明している。ハンタウイルスは、人に致死的な呼吸器疾患を引き起こす可能性がある。

どのくらいの頻度で人間の血が吸われているのかわかっていないが、研究者たちは、屋外のハンモックで眠っている人などが狙われていると考えており、チームは、カテンバウ国立公園近辺の屋外では眠らないように勧告している。

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