異常気象 自然災害

ロシア中部に広がる異常気象 : 6月のシベリアで35℃を記録

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2016年6月29日のロシアの報道より

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ロシア中部が異常な高温と乾燥に見舞われていることが報じられています。

少なくとも、6月の記録としては、観測史上で類を見ないような高温に見舞われている地域があるようです。

冒頭の図では、35℃などの気温を記録している地域があるということのようですが、上の場所の範囲は地図で言えば、下の部分に相当します。

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35℃を記録しているのは、エヴェンキ自治管区というあたりのようです。

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これは、非常に強い高気圧が、通常の大気の循環を遮っているために起きていると冒頭の報道では説明されていますが、この先、どのくらい続くのかは、正確には予測できないとしています。

下は、6月29日の北半球の気温の平年との差異ですが、ロシア中部の気温の平年差がものすごいことになっていることがわかります。

濃い赤や茶色の地域が、平年より著しく気温が高い場所です。

北半球の気温の平年との差

russia-temperature-0629Climate Reanalyzer

 

記事によりますと、ロシアは、同じような気圧配置を 2010年にも経験していますが、その際には、ロシア各地で熱波と干ばつ、森林火災が多発して、非常事態宣言が発令されました。

この年のロシアに関しては、

ロシア南部各地で続く異常高温での干ばつにより非常事態宣言。作物が全滅した地域も
In Deep 2010/07/20

という記事で、ロシアの報道をご紹介したことがありますが、今年も同じようなことになるのではないかと冒頭の報道は懸念を示しています。

その年のロシアがどんな状態だったかに関して、参考までに、 2010年のロシアの報道から抜粋しておきます。2010年の 7月20日のニュースですので、状況としては、今と似ているものなのかもしれません。

pskov.aif.ru

干ばつのため南ロシア地域に非常事態

ロシア南部のアストラハン州では、気温が 40度にまで達する日が続き、3850ヘクタールにわたって、穀類、野菜、メロン、じゃがいも、および飼料用作物などが枯れてしまった。

この地域は、ロシア非常事態省から非常事態地域として指定された。

カルムイキア共和国では、2万4600ヘクタールの範囲で小麦が枯れた。この地域は、7月13日に非常事態地域に指定されている。

ヴォルゴグラード州では、51万1600ヘクタールの地域で作物が失われた。

ロシア南部のスタブロポリ地域では、10500ヘクタールの農地の作物が全滅した。被害金額は2500万ルーブル(約7000万円)と推定される。

ロシアではこのような干ばつは 40年以上観測されていない。異常高温の地域は、現在までに 14の州に広がっている。

この中に、

> 40年以上観測されていない

とありますが、2010年に続いて、今年も起きる可能性があるということは、そのような希なことが頻発し始めているということになるようです。

また、上の平年との気温の差異を見ますと、ロシアでは、濃い青の地域、つまり、「平年より著しく気温が低い地域」もいくつかありまして、高温化とか低温化のように単純にくくることのできない複雑な気温状況になっているようです。

先日、

地球の気流が壊れた : ジェット気流が赤道を通過して北極から南極に進むという異常すぎる事態。このことにより、この先の気象と気温はこれまでに考えていた以上のカオスとなる可能性が極めて濃厚に
In Deep 2016/06/30

という記事で、「ジェット気流の流れが異常になっている」ことに関して書きましたが、今のロシアのような気候と気温の異常は、今後も他の地域にも拡大していきそうな感じはあります。







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